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<スズケンDIアワー> 平成22年4月8日放送内容より スズケン

DPP-4阻害糖尿病治療薬 ビルダグリプチン


兵庫医科大学糖尿病科 教授
宮川 潤一朗

icon ビルダグリプチンのDDP-4阻害作用

 ビルダグリプチンは、インクレチンを分解・不活性化する酵素DPP-4を阻害することで、血糖値を正常にコントロールしますが、実際に、2型糖尿病においてブドウ糖負荷試験で検討した結果、プラセボ投与群ではインスリン増加およびグルカゴンの抑制効果は認められず血糖の増加がみられた一方で、ビルダグリプチン投与群ではインスリンの分泌増加およびグルカゴンの分泌抑制が認められ、血糖の上昇が抑制されました。また、別の試験で夕食前にビルダグリプチンを投与したところ、食後のグルカゴン分泌が抑制され、肝臓における糖産生量はプラセボ群と比較してビルダグリプチン群で有意に抑制されました。またその効果は翌朝まで維持されており、夜間の肝糖新生の抑制は空腹時血糖低下にも繋がることから、ビルダグリプチンの投与により食後血糖のみならず空腹時血糖を低下させる可能性があると言えます。
 さらに、動物実験のデータではありますが、ビルダグリプチンを新生児ラットに投与した結果、対照群と比較して、細胞の増殖活性を高める一方、アポトーシスを抑制し、β細胞量が増加しました。このようにビルダグリプチンによってインクレチンの作用を高めることにより、β細胞の再生を促しβ細胞保護的に働く可能性も期待できます。
 ここで薬効を裏付ける試験成績として、まず各種DPPに対する阻害作用を紹介します。

DDP-4阻害薬ビルダグリプチン

 ビルダグリプチンはヒト由来Caco-2細胞ならびにヒト血漿DPP-4を濃度依存的に阻害し、IC50はそれぞれ3.5nM、2.7nMでした。ビルダグリプチンのDPP-4に対するKi値は約2nMで、DPP-4に対する選択性はDPP-2で1万倍以上、DPP-8で253倍、DPP-9で32倍以上でした。DPP-4とビルダグリプチン複合体の解離半減期は55分以上であるのに対し、DPP-8、DPP-9との解離半減期はそれぞれ10秒未満であり、高い選択性が認められました。また、ビルダグリプチンのDPP-4に対する結合様式は単純な拮抗ではなく高親和性複合体を形成するSlow-Tight binding様式で結合することが知られており、このことから血中濃度がある程度低下しても薬効が持続するとされています。

ビルダグリプチンは50r1日1回投与で・・・

 実際に、ビルダグリプチンのヒト血漿中DPP-4阻害効果についてみた試験によると、ビルダグリプチン50mgを1日2回投与することで、24時間にわたりDPP-4を約90%以上抑制し続けることがわかりました。また、ビルダグリプチンを7日間投与することで、食後のGLP-1濃度はビルダグリプチン投与群で有意に高値を示し、プラセボ群に比べ約2倍に増加しました。

 

提供 : 株式会社スズケン



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