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<スズケンDIアワー> 平成22年5月6日放送内容より スズケン

小児用7価肺炎球菌結合型ワクチン


国立病院機構三重病院 国際保健医療研究室長
中野 貴司

icon 有効性と安全性について

 本ワクチンの有効性と安全性について説明します。

初回及び追加接種前後の抗体価推移

 国内第II相臨床試験は、接種開始月齢が生後2〜6ヵ月の健康乳児を対象に実施されました。初回免疫及び追加免疫接種後のワクチン血清型に対する抗体保有率は、それぞれ97〜100%、98〜100%の範囲であり、良好な免疫原性が確認されました。また、初回免疫及び追加免疫後のIgG抗体幾何平均濃度は、それぞれ4.41〜14.75μg/mL、8.07〜27.67μg/mLの範囲で、十分に高い抗体価が獲得できるとともに、初回免疫後の追加免疫によるブースター効果も確認されました。

ワクチン導入前後の小児期IPD発症率の推移

 米国では、ワクチン承認時に無作為化二重盲検試験が実施されました。その結果では、IPDを予防する有効率が95%前後という素晴らしい結果が得られました。そして、7価肺炎球菌結合型ワクチンは、2000年に米国において世界で初めて導入され、日本の定期接種のようにすべての子どもたちを対象として接種が始まりました。その結果、子どもたちのIPDは顕著に減少したのです。
 さらに米国では、接種をうけた子どもたちに呼吸器の粘膜免疫が付与され、IPDを起こす肺炎球菌の定着率が低下し、周囲への感染伝播を防ぐことにつながった間接効果も報告されています。IPD発症率の減少が、5歳未満小児と併せて、65歳以上高齢者においても観察されたのです。本ワクチンの導入により集団免疫効果も期待できるのであれば、大変素晴らしいことです。
 安全性に関しては、国内第II相臨床試験では、アナフィラキシーや痙攣など重篤な副反応は観察されませんでした。接種局所の発赤や硬結などが主な副反応で、10〜30%に認められましたが、いずれも後遺症を残すことなく軽快しました。接種後に39℃以上の発熱を認めた頻度は、初回接種後2.2%、2回目接種後1.7%、3回目接種後1.1%、追加接種後3.6%でした。他のワクチンと同様、概ね安全に接種できるワクチンと考えられます。
 7価肺炎球菌結合型ワクチンは、安全で有効なワクチンです。このワクチンをすでに導入した海外諸国では、目ざましい予防効果が確認されています。わが国でも普及に努め、子どもたちを肺炎球菌の脅威から守りたいと思います。

 

提供 : 株式会社スズケン



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