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<スズケンDIアワー> 平成22年5月20日放送内容より スズケン

新薬の薬価算定根拠(30)


日本大学薬学部薬事管理学 教授
白神 誠

 前回の放送でお伝えした品目以降に薬価基準に収載された新医薬品の薬価算定根拠について説明します。

icon アドシルカ錠とアサコール錠の薬価算定根拠

タダラフィルとメサラジンの薬価表

 はじめは、アドシルカ錠です。有効成分は、タダラフィルで、日本イーライリリーの開発です。タダラフィルはホスホジエステラーゼ5阻害作用を有し、「肺動脈性肺高血圧症」を効能・効果とします。効能・効果などが類似するシルデナフィルクエン酸塩の製剤であるファイザーのレバチオ錠を比較対照薬に類似薬効比較方式(I)で算定が行われました。
 次は、アサコール錠です。有効成分は、メサラジンで、ゼリア新薬工業の開発です。メサラジンは消炎作用を有し、「重症を除く潰瘍性大腸炎」を効能・効果とします。既存の製剤に比べて大腸に効率的に薬物が届くように製剤設計されたものです。したがって、既収載品のメサラジンの製剤である杏林製薬のペンタサ錠を比較対照薬に類似薬効比較方式(I)で算定が行われました。

icon イメンドカプセルとジャヌビア錠及びグラクティブ錠の薬価算定根拠

アプレピタントとシダグリプチンの薬価表

 次は、イメンドカプセルです。有効成分は、アプレピタントで、小野薬品工業の開発です。アプレピタントは、サブスタンスP/ニューロキニン(NK1)受容体拮抗作用を有し、「シスプラチン等の抗悪性腫瘍剤投与に伴う悪心、嘔吐(遅発期を含む)」を効能・効果とします。効能・効果が類似したインジセトロン塩酸塩の製剤である杏林製薬のシンセロン錠を比較対照薬に類似薬効比較方式(I)で算定が行われました。本剤は、新規の作用機序を有しており、既存薬では効果不十分な遅発期の悪心、嘔吐に対する有効性が認められていることから、有用性加算(II)が適用されました。
 次は、ジャヌビア錠およびグラクティブ錠です。有効成分は、シタグリプチンリン酸塩水和物で、ジャヌビア錠は萬有製薬、グラクティブ錠は小野薬品工業の開発です。シタグリプチンリン酸塩水和物は、ジペプチジルペプチダーゼ4阻害作用を有し、「(1)食事療法、運動療法のみ、(2)食事療法、運動療法に加えてスルホニルウレア剤を使用、(3)食事療法、運動療法に加えてチアゾリジン系薬剤を使用、(4)食事療法、運動療法に加えてビグアナイド系薬剤を使用のいずれかの治療で十分な効果が得られない場合の2型糖尿病」を効能・効果とします。効能・効果等が類似したピオグリタゾン塩酸塩の製剤である武田薬品工業のアクトス錠を比較対照薬に類似薬効比較方式(I)で算定が行われました。体重増加の抑制については英国NICEの治療ガイドラインにおいても評価を受けていることなどから、本剤は有用性加算(II)を適用することが妥当と判断されました。ただし、国内で比較薬との直接的な比較試験を実施しているわけではないことから評価は限定的なものとされました。

 

提供 : 株式会社スズケン



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