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<スズケンDIアワー> 平成22年5月20日放送内容より スズケン

新薬の薬価算定根拠(30)


日本大学薬学部薬事管理学 教授
白神 誠

icon オゼックス細粒小児用とラスリテック点滴静注用の薬価算定根拠

トスフロキサシントシル酸塩とラスプリカーゼの薬価表

 次は、オゼックス細粒小児用です。有効成分はトスフロキサシントシル酸塩水和物で富山化学工業の開発です。トスフロキサシントシル酸塩水和物はDNA合成阻害作用を有し、「トスフロキサシンに感性のペニシリン耐性肺炎球菌を含む肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、炭疽菌、コレラ菌、インフルエンザ菌」を適応菌種に「肺炎、コレラ、中耳炎、炭疽」を適応症とします。効能・効果等が類似したテビペネム ピボキシルの製剤である明治製菓のオラペネム小児用細粒を比較対照薬に類似薬効比較方式(I)で算定が行われました。
 次は、ラスリテック点滴静注用です。有効成分は、遺伝子組換えのラスプリカーゼで、サノフィ・アベンティスの開発です。ラスプリカーゼは尿酸分解作用を有し、「がん化学療法に伴う高尿酸血症」を効能・効果とします。同様の効能・効果等を持つ類似薬がないことから、原価計算方式により算定が行われました。本剤の営業利益率の算出にあたっては、本剤は新規の作用機序を有しており、既存の治療法では血中尿酸値の管理が不十分な患者に対して有効性が期待できるものの、腫瘍崩壊症候群に伴う急性腎不全の発症抑制効果の点では、既存の治療法(アロプリノール)と比べた場合の差違が明確ではないことから、限定的な評価とされ、平均的な営業利益率プラス10%の営業利益率、すなわち21.1%を用いることとされました。

icon ミリプラ動注用とミリプラ用懸濁用液の薬価算定根拠

ミリプラ動注用とミリプラ用懸濁用液の薬価

 次は、ミリプラ動注用です。有効成分は、ミリプラチン水和物で、大日本住友製薬の開発です。ミリプラチン水和物はDNA内及びDNA間架橋形成作用による核酸合成阻害作用を有し、「肝細胞癌におけるリピオドリゼーション」を効能・効果とします。効能・効果、薬理作用などが類似するシスプラチンの製剤である日本化薬の動注用アイエーコールを比較対照薬に類似薬効比較方式(I)で算定が行われました。
 次は、ミリプラ用懸濁用液です。有効成分は、ヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステルで、大日本住友製薬の開発です。ヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステルは抗がん剤の作用持続作用を有し、ミリプラ動注用の懸濁液として用いられます。本剤と同一成分であり、かつ本剤と同様に肝動注用抗がん剤の懸濁用に用いられるアステラス製薬のスマンクス肝動注用懸濁用液を比較対照薬に類似薬効比較方式(I)で算定が行われました。

 

提供 : 株式会社スズケン



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