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<スズケンDIアワー> 平成22年5月20日放送内容より スズケン

新薬の薬価算定根拠(30)


日本大学薬学部薬事管理学 教授
白神 誠

icon ベネフィクス静注用とエリザスカプセル外用の薬価算定根拠

ノナコグアルファとデキサメタゾンペシル酸エステルの薬価

 次は、ベネフィクス静注用です。有効成分は、遺伝子組換えのノナコグアルファで、ワイスの開発です。ノナコグアルファは血液凝固第IX因子の補充による止血作用を有し、「血友病B(先天性血液凝固第IX因子欠乏症)患者における出血傾向の抑制」を効能・効果とします。同様の効能・効果等を持つ類似薬がないことから、原価計算方式により算定が行われました。営業利益率は、平均的な営業利益率19.2%とされました。
 次は、エリザスカプセル外用です。有効成分は、デキサメタゾンシペシル酸エステルで、日本新薬の開発です。デキサメタゾンシペシル酸エステルは抗炎症作用および抗血管収縮作用を有し、「アレルギー性鼻炎」を効能・効果とします。補正加算のいずれの要件にも該当せず、効能・効果、薬理作用等が類似する外用剤が既に3つ以上あることから、類似薬効比較方式(II)で算定が行われました。薬価の算定は、最も類似していると考えられるフルチカゾンフランカルボン酸エステルの製剤の薬価、過去10年間に薬価収載された類似薬の平均1日薬価、過去6年間に収載された類似薬の最低薬価を比較し、最も薬価の低かった、過去6年間に薬価収載された類似薬の最低薬価、すなわちフルチカゾンフランカルボン酸エステルの製剤であるグラクソ・スミスクラインのアラミスト点鼻液の薬価に合わせることとされました。

icon シムビコートタービュヘイラーとバンコマイシン眼軟膏の薬価算定根拠

シムビコートビュヘイラーとバンコマイシンの薬価表

 次は、シムビコートタービュヘイラーです。有効成分は、ブデソニドとホルモテロールフマル酸塩水和物の配合剤で、アストラゼネカの開発です。ブデソニドは気管支拡張作用をホルモテロールフマル酸塩水和物は抗炎症作用を有し、「吸入ステロイド剤及び長時間作動型吸入β2刺激剤の併用を必要とする気管支喘息」を効能・効果とします。効能・効果、薬理作用が同一のフルチカゾンプロピオン酸エステルとサルメテロールキシナホ酸塩の配合剤であるグラクソ・スミスクラインのアドエアディスカスを比較対照薬に類似薬効比較方式(I)で算定が行われました。なお、キット部分の原材料費が加えられています。
 次は、バンコマイシン眼軟膏です。有効成分は、バンコマイシン塩酸塩で、東亜薬品の開発です。バンコマイシン塩酸塩は細胞壁合成阻害作用を有し、「バンコマイシンに感性のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、メチシリン耐性表皮ブドウ球菌(MRSE)」を適応菌種に、「既存治療で効果不十分な結膜炎、眼瞼炎、瞼板腺炎、涙嚢炎」を適応症とします。同様の効能・効果等を持つ類似薬がないことから、原価計算方式により算定が行われました。本剤の営業利益率の算出にあたっては、従来、院内で注射剤から調製されていた眼軟膏を製剤化したものであり、革新性が高いとは言えないが、開発に当たっては、種々の製剤的検討を行い、至適濃度を決定し、長期間の安定性を実現したものであることから、平均的な営業利益率マイナス5%の営業利益率、すなわち18.2%を用いることとされました。

 以上の12成分23品目は昨年(2009年)12月4日の中医協総会で審議され、12月11日に薬価基準に収載されました。

 

提供 : 株式会社スズケン



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