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<スズケンDIアワー> 平成22年6月10日放送内容より スズケン

ARB・カルシウム拮抗薬配合剤オルメサルタン メドキソミル・アゼルニジピン


熊本大学大学院生命科学研究部 循環器病態学 教授
小川 久雄

icon はじめに

 高血圧は心血管系疾患の主要な危険因子です。私の専門分野である急性心筋梗塞の危険因子をJapanese Acute Coronary Syndrome Study(JACSS)に登録された急性心筋梗塞患者さん1925名と人間ドックを受けられた方2279名に症例対照研究をして解析してみますと、高血圧、喫煙、糖尿病が三大危険因子ですが、とりわけ高血圧が一番重要な危険因子であることが分かりました。脳血管疾患においては高血圧の危険因子としての重要性はさらに増してきます。

icon 高血圧の併用療法

 家庭内血圧および24時間血圧が診察室血圧より、心血管系イベントの発症リスク予測能が高いことが示されています。そのため、わが国の高血圧治療ガイドライン2009(JSH2009)では、診療室血圧だけでなく家庭血圧の降圧目標についても明確にし、厳格な降圧を推奨しています。
 また、わが国において、65歳以上の高齢者では約60%が高血圧に罹患しています。老年者高血圧の降圧治療は、外国における大規模介入試験の成績から大きな治療効果が確認されており、高齢者の高血圧においても、確実な降圧による心血管系イベントの発症や進展の抑制を図ることが重要です。さらに高齢高血圧患者では、加齢に伴い、心血管系疾患や糖尿病などの心血管系イベントのリスク因子を併せもつ割合が高く、患者ごとの適切な降圧薬治療が望まれます。
 しかし、日常診療における降圧目標達成率は低く、厳格かつ24時間にわたる血圧コントロールを達成しているのは、高血圧患者の4割に満たないのが現状です。血圧を十分にコントロールするためには、単剤で十分な降圧効果が得られない場合は2剤以上の降圧薬による併用療法が必要です。高血圧治療ガイドライン2009(JSH2009)で推奨される降圧薬の併用の組み合わせの1例として、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)とカルシウム拮抗薬(Ca拮抗薬)があげられています。レニン・アンジオテンシン系の抑制を主作用とするARBと血管平滑筋に対する直接的な血管拡張作用を主作用とするCa拮抗薬は、高血圧の成因を相補的に抑制できるという点で確実な降圧効果が期待でき、しかも両者とも血管内皮機能改善作用を持っており、効果的な併用療法と考えられます。
 配合剤における降圧薬の適切な組み合わせについては、ACCOMPLISH試験が参考になります。ACCOMPLISH試験では、ハイリスク高血圧患者を対象に、ACE阻害薬/利尿薬併用とACE阻害薬/Ca拮抗薬併用が比較されました。その結果、ACE阻害薬/Ca拮抗薬併用群がわずかながら有意に優れた降圧を示しましたが(p<0.001)、主要評価項目である複合心血管系イベントは、ACE阻害薬/Ca拮抗薬併用群で相対リスクが20%も有意に減少し、早期から群間差が認められました。

 

提供 : 株式会社スズケン



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