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<スズケンDIアワー> 平成22年6月17日放送内容より スズケン

医薬品・医療機器等安全性情報 最近の話題(20)〜薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業について


NTT東日本関東病院 薬剤部長
折井 孝男

icon 事例の収集・分析

 薬局ヒヤリ・ハット事例の収集・分析報告の対象となるものは、薬局業務を行う中で発生する、医薬品又は特定保険医療材料が関連する事例です。繰り返しになりますが、「薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業」では、全国の薬局で発生または発見した“ヒヤリ”または“ハッ”とした事例を収集します。また、収集した事例情報は分析を行い、広く医療安全対策に有用な情報として提供することを通して、重大な医療事故を未然に防止することを目的としています。
 病気の治療を行う過程では、医師、歯科医師、薬剤師、看護師など、様々な職種の人達が専門家として仕事を行っています。
その中において、薬局における薬剤師は“薬の専門家”として、処方せんの調剤や鑑査、服薬指導など、大きな役割を担っています。
 薬局ではその他、一般用医薬品(OTC医薬品)や薬局製剤の説明、販売も行っています。薬剤師および登録販売者はセルフメディケーションを含めた疾病の治療等、国民生活における健康の管理において、大きな役割を果たしています。薬局の業務においては、思いもよらない「ミス(誤り)」が発生します。これは薬局に限ったことではなく、医療機関や一般企業など、様々な場面においても発生しています。通常、重大な事故が起きた背景には、過去に同様な事故に発展する可能性にあった「類似した経験」をしていることがあります。
 多くの場合、1件の重大な事故が起こる背景には、29件の軽微な事故が起こっており、さらには300件もの“ヒヤリ”としたことや“ハッ”とした「ヒヤリ・ハット」が起きていると言われています。
 なお、ここで述べている「医療」とは医療行為と関連するすべての過程であり、一般用医薬品の販売も含んでいます。

 事例としては、(1)医療に誤りがあったが、患者に実施される前に発見された事例。(2)誤った医療が実施されたが、患者への影響が認められなかった事例又は軽微な処置・治療を要した事例。ただし、ここで云う軽微な処置・治療とは消毒、湿布、鎮痛剤投与等としています。(3)誤った医療が実施されたが、患者への治療が不明な事例。このような事例については、事例を認識した日から原則として1ヵ月以内にホームページ上の専用報告画面を用いて各薬局から報告をするようにしています。

 報告時にはインターネット回線(SSL暗号化通信方式)を利用して、セキュリティーを確保しています。収集された事例は評価機構で分析され、評価機構のホームページ(http://www.yakkyoku-hiyari.jcqhc.or.jp/)の「公開データ検索」を用いて、個々の事例の詳細を閲覧できるようになっています。また、集計報告が年2回、年報が年1回評価機構から公表されています。
 薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業集計報告についてですが、事例収集が開始された平成21年4月1日から成21年6月30日までに収集された事例に関して第1回集計報告が平成21年9月29日に行われ、平成22年3月24日に平成21年7月1日から平成21年12月31日の6ヵ月間に収集された事例について第2回目の集計報告が公表されました。

 第2回の報告では、139の薬局から1285件のヒヤリ・ハット事例が報告され、その内訳は、「調剤」に関する事例が1177件、「疑義照会」に関する事例が99件、「特定保険医療材料」に関する事例が9件でした。更に、共有すべき事例報告されたヒヤリ・ハット事例の中から、特に広く医療安全対策に有用な情報として、内服薬調剤、薬剤取違え、規格・剤形間違いなどに関する20事例が紹介されました。これらの共有すべき事例には、事例番号が付けられており、事例番号を利用して、ホームページ上の「公開データ検索」から各事例の詳細を閲覧することができます。

 

提供 : 株式会社スズケン



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