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<スズケンDIアワー> 平成22年6月24日放送内容より スズケン

話題の新薬2010−(1)


獨協医科大学 名誉学長
原田 尚

icon 超高速型インスリンアナログ治療薬;インスリングルリジン(遺伝子組み換え)

 次に、超高速型インスリンアナログ治療薬;インスリングルリジンについてお話しします。

インスリングルリジンの構造式

 この薬剤は、遺伝子組み換え操作で合成されたヒトインスリンアナログで、ヒトインスリンのB鎖3位のアスパラギンをリジンに、またB鎖29位のリジンをグルタミン酸に変えることにより安定化し、さらに単量体から二量体、六量体への会合形成も抑制します。
 効能・効果はインスリン治療が必要な糖尿病であります。
 通常、2-20単位を毎食直前に皮下注射します。中間型及び持効型インスリンを併用することもあります。
 副作用は8%に見られ、重篤な低血糖、糖尿病性網膜炎の悪化などであります。

icon 前立腺肥大症治療薬5α還元酵素阻害薬;デュタステリド

 次に、前立腺肥大症の治療薬5α還元酵素阻害薬;デュタステリドについてお話しします。

デュタステリドの構造式

 この薬は、デルタ4アザステロイド骨格を有する還元酵素阻害薬で、テストステロンをより活性の高いジヒドロテストステロンへ変換する1型、2型の5α還元酵素を阻害し、ジヒドロステロンへの変換を抑制します。従来の抗アンドロゲン薬に比べて副作用が少ないとされています。
 効能・効果は前立腺肥大症で、1回0.5mgを1日1回経口投与します。副作用は11%に見られ、勃起不全、リビドー減退、女性化乳房などです。

icon チロシンキナーゼ阻害抗悪性腫瘍薬;ラパチニブトシル酸水和物

 次に、チロシンキナーゼ阻害の抗悪性腫瘍薬;ラパチニブトシル酸水和物についてお話しします。

ラパチニブトシル酸水和物の構造式

 この薬は、アニリノキナゾリン構造を有する新規のチロシンキナーゼ阻害薬で、細胞増殖促進のシグナルを活性化するErbB受容体ファミリーのErbB1、ErbB2の両者に対して強力で選択的な可逆的阻害作用を有し、腫瘍細胞の増殖を抑制します。
 効能・効果は、ErbB受容体の過剰な発生が確認された手術不能、あるいは再発性の乳がんです。
 カペシタビンとの併用によって、1250mgを1日1回毎食の食前1時間以上前、あるいは食後1時間以上後に経口投与します。副作用はほとんど全例に見られ、下痢、掻痒などです。

 

提供 : 株式会社スズケン



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