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<スズケンDIアワー> 平成22年7月29日放送内容より スズケン

腎性貧血治療薬 ダルベポエチンアルファ(遺伝子組換え)


昭和大学腎臓内科 教授
秋澤 忠男

icon ダルベポエチンアルファの構造と投与法

エリスロポエチン製剤とダルベポエチンアルファの構造の比較

 ダルベポエチンアルファは従来のエリスロポエチン製剤の構成アミノ酸を一部置換し、新たに2本のN結合型糖鎖を付与した遺伝子組換え糖蛋白で、分子量は従来のエリスロポエチン製剤の約30000から36000に増加しています。

rHuEPOとDA静注後の血清中EPO濃度の推移

 糖鎖の付与により糖鎖末端のシアル酸の数が増加しますが、エリスロポエチンの半減期はシアル酸の増加に伴い延長することから、ダルベポエチンアルファの半減期は従来のエリスロポエチン製剤であるエポエチンアルファに比べ、静注で約3倍、皮下注では約2.5倍延長します。したがって、これまでより長い投与間隔で貧血を改善させたり、貧血の改善を維持できることが期待され、治験成績でその期待は実証されました。

長期投与成績

 最初に保存期腎不全患者に対する使用法をお話します。対象患者はHb11g/dL未満を目安とした腎性貧血を呈する患者で、従来のエリスロポエチン製剤が投与されていない患者では、初回投与量として30μgを2週間に1回、皮下、あるいは静脈内に投与します。投与開始後Hb値を週1回から2週に1回程度測定し、Hbが上昇しているか、また必要以上の造血(一般には週当たりHbで0.5g/dL以上の上昇とされます)をきたしていないかを確認をします。必要があれば投与量調整表に従い、増量する場合は原則として1段階づつ増量します。減量する場合は2段階以上の減量が可能です。貧血改善効果の目標値(目標Hb)は、学会のガイドライン等、最新の情報を参考とすること、と定められており、具体的には日本透析医学会「2008年版慢性腎臓病患者における腎性貧血治療のガイドライン」や、日本腎臓学会「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2009」などが想定されます。
 Hbが目標域に到達し、Hbが安定した推移を示していることが確認された場合は、2週間に1回の投与頻度を4週間に1回に延長することが可能です。投与量は2週間に1回投与時の倍量が選択されますが、1回投与量の最大値は180μgとされています。投与間隔を変更した場合には、Hb値を十分に観察して、先の基準に従い投与量の修正を行うことも大切です。

DAを4週間に1回投与する患者の割合

 次に保存期腎性貧血で、既に従来のエリスロポエチン製剤が投与されている場合についてお話します。この場合は従来のエリスロポエチン製剤からダルベポエチンアルファへの切替え投与となります。切換え時の初回投与量は、従来のエリスロポエチン製剤の2週間当たりの投与量から、およそ200対1のダルベポエチンアルファ量を表に従い選択し、2週間に1回投与します。その後はHbの変化に従い投与量を調整し、目標Hbに到達、ないし目標Hbを維持し、Hbが落ち着いた段階で4週間に1回投与に投与間隔を延長できるのは、先ほどのエリスロポエチン製剤が投与されていない患者と同様です。

一般臨床試験

 以上の保存期腎性貧血患者に対するダルベポエチンアルファの使用方法は、腹膜透析患者でも全く同様です。保存期、腹膜透析の腎性貧血で、最大用量の1回180μgを投与しても十分な貧血改善効果の得られない場合は、投与間隔を4週間に1回の場合は2週間に1回に、2週間に1回の場合は、1週間に1回に増加させます。

静脈内投与時の投与量調整表

 血液透析患者に対する使用方法には2004年の承認条件から大きな変更はなく、投与対象はHb10g/dL未満の、活動性の高い比較的若年の患者ではHb11g/dL未満の腎性貧血患者を目安とします。従来エリスロポエチン製剤を使用していなかった初期投与患者にはダルベポエチンアルファ20μgを初回用量として週1回静脈内投与します。目標Hbに到達するまでは、週1回から2週に1回程度Hbを測定し、貧血改善効果、また必要以上の造血が無いかを確認し、投与量の調整が必要な場合には調整表に準じ、増量は原則として1段階ずつ行うのは、保存期、腹膜透析の腎性貧血と同様です。従来のエリスロポエチン製剤が投与されている患者への切替え投与の場合には、週に2-3回エリスロポエチン製剤が投与されていた患者では週当たりのエリスロポエチン製剤投与量の合計をもとに、およそ200対1のダルベポエチンアルファ量を表に従い選択し、週に1回投与します。目標Hbに到達、あるいは維持した後は、週1回15-60μgを投与し、週1回投与で貧血の改善が維持されている場合には、その時点での2倍量を開始用量として、2週間に1回ダルベポエチンアルファを投与することができます。週1回より長い間隔でエリスロポエチン製剤が投与されていた血液透析患者では、2週間当たりのエリスロポエチン製剤投与量の合計をもとに、同様に2週間に1回ダルベポエチンアルファを投与します。ただし、いずれの場合でも、最高投与量は1回180μgで、血液透析患者では静脈内投与のみが承認されています。

 

提供 : 株式会社スズケン



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