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<スズケンDIアワー> 平成22年7月29日放送内容より スズケン

腎性貧血治療薬 ダルベポエチンアルファ(遺伝子組換え)


昭和大学腎臓内科 教授
秋澤 忠男

icon 投与上の留意点

 慎重投与としては、心筋梗塞、肺梗塞、脳梗塞などの合併や既往歴があり、血栓塞栓症のリスクの高い患者では血栓塞栓症に、高血圧患者の場合には高血圧性脳症に対する観察を十分に行うこと、また薬物過敏症やアレルギー素因のある患者ではショックなどに対する救急措置をとれる準備を行っておくこと、などが求められています。重要な基本的注意事項としては、腎性貧血以外の貧血症には使用しないこと、血圧上昇とHb上昇速度に注意すること、ダルベポエチンアルファの半減期は長いので、投与中止後もHb濃度の低下するまで観察を十分行うこと、抗エリスロポエチン抗体を伴う赤芽球癆の発症が報告されているため、貧血が改善しない、あるいは悪化する場合には本症を疑うこと、などが記載されています。とくに目標Hbについては、海外の大規模臨床試験で、「Hb13g/dLを超える高いHbを設定した群で、死亡や心血管障害、あるいは脳卒中の頻度が高かった」、ことを踏まえ、学会のガイドライン等、最新の情報を参考として必要以上の造血作用があらわれないよう、注意を喚起しています。また、血液透析患者に関しては、必要以上の造血作用をHbで12g/dL超としています。

icon 副作用について

 治験時の副作用は1462例中32.2%に認められ、血圧上昇17%、シャント血栓・閉塞3%、頭痛1.9%、倦怠感1.4%などが高頻度でした。重大な副作用としては脳梗塞:0.9%、脳出血:0.1%、肝機能障害:0.1%、その他頻度不明の重大な副作用として、高血圧性脳症、ショック・アナフィラキシー様症状、赤芽球癆、心筋梗塞・肺梗塞などがあげられています。その他の注意としては、本邦では承認されていませんが、癌化学療法又は放射線療法による貧血患者に本剤を投与した結果、生存期間の短縮、腫瘍進展・局所再発リスクの増加、血栓塞栓症の増加などが報告されています。
 ダルベポエチンアルファは、その長い半減期を生かし、とくに保存期腎不全や腹膜透析の腎性貧血治療に広く活用されることが期待されます。

 

提供 : 株式会社スズケン



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