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<スズケンDIアワー> 平成22年8月12日放送内容より スズケン

緑内障治療用配合点眼薬ドルゾラミド塩酸塩・チモロールマレイン酸塩


熊本大学眼科 教授
谷原 秀信

 本日は「緑内障治療の課題と配合剤の意義」についてお話させていただきます。最初に緑内障薬物治療について簡単にご紹介し、その課題と配合剤の意義へと続けてまいります。それから今年発売になった2系統の配合点眼液の違いを紹介し、特に世界で多く使用されている配合剤であるドルゾラミド/チモロール配合剤にスポットライトを当ててみたいと思います。

icon 緑内障治療のポイント

Early Manifest Glaucoma

 海外において行われた緑内障の臨床試験に、Early Manifest Glaucoma Trial(EMGT)があります。この試験において、多くの緑内障患者さんでは視野障害はゆっくりと進行していくことが示されました。多くの症例では長期にわたりじっくりと治療を続けることが大切だと言えます。従って、使いやすい薬物が必要なわけです。
 現在の緑内障治療の基本的な考え方として、眼圧下降を重視することが挙げられます。しかしどの程度下げればよいかについて確実なものはなく、緑内障診療ガイドラインにおいても、初期例では19mmHg、中期例では16mmHg以下、後期例では14mmHg以下というように記載されています。あるいは無治療時眼圧からの限圧下降率20%あるいは30%などといくつかの数値が認載されています。
 そこで、また先ほどとは別の海外大規模臨床試験に注目してみます。Advanced Glaucoma Intervention Study(AGIS)では眼圧下降と視野進行障害を6年以上にわたって観察していますが、18mmHg以下の目標眼圧を100%達成できた群では、平均眼圧が12.3mmHgでしたが、進行スコアは0でした。一方で、目標眼圧の達成率が75〜100%未満である群では、平均眼圧は14.7mmHg、進行スコアは1.1です。目標眼圧の達成率が50〜75%未満になると、平均眼圧は16.9mmHg、進行スコアは1.97と上がります。これが、目標眼圧達成率が50%未満の不完全な眼圧コントロールでは、平均眼圧は20.2mmHgであり、進行スコアは2.42まで上がります。
 すなわち、緑内障治療においては、眼圧をより低く下げれば下げるほど、視野障害の進行が抑制できたという結果が得られたわけです。このようなデータからも、確実に眼圧下降をすることがいかに重要であるかがおわかりいただけると思います。

緑内障治療薬の組み合わせ

 現在、緑内障治療に用いられている点眼剤は、大きく分けて6系統から7系統に分類されます。作用機序の観点では、房水産生の抑制と房水流出の促進、もしくはその両方の組み合わせという分類が可能です。これら現在用いられている緑内障治療薬のなかでも、PG製剤、β遮断剤、そして炭酸脱水酵素阻害薬であるCAIの3系統の併用が、最も併用効果が期待できる組み合わせであると言われています。しかし、強力に眼圧を下げることが重要ではあっても、薬剤数を増やしてしまっては患者さんも適切に点眼することが難しくなってきます。
 緑内障薬物治療における課題としては次のようにまとめることができます。一番目としては、視野障害の進行を遅らせるためには強力に眼圧を下げる必要がある。二番目に、しかし単剤では十分に眼圧が下がらないことも多いために、併用療法をせざるを得ない場合が多い。三番目に、長期に治療を行うためには、忍容性が良好な薬剤である必要がある。そこで、配合剤がその存在意義を発揮してきます。

 

提供 : 株式会社スズケン



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