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<スズケンDIアワー> 平成22年8月19日放送内容より スズケン

新薬の薬価算定根拠(31)


日本大学薬学部薬事管理学 教授
白神 誠

icon アロキシ静注とブリディオン静注の薬価算定根拠

アロキシ静注の薬価算定表

ブリディオン静注の薬価算定表

 次は、アロキシ静注です。有効成分は、パロノセトロン塩酸塩で、大鵬薬品工業の開発です。パロノセトロン塩酸塩は、セロトニン5-HT3受容体拮抗作用を有し、「シスプラチン等の抗悪性腫瘍剤投与に伴う遅発期を含む、悪心、嘔吐」を効能・効果とします。薬価算定は、薬理作用が同一で、効能・効果等が類似するラモセトロン塩酸塩の製剤であるアステラス製薬のナゼア注射液を比較対照薬に類似薬効比較方式(I)で行われました。本剤は、既存のセロトニン5-HT3受容体拮抗薬では認められていない遅発期の悪心・嘔吐に対する有効性を示しており、「治療方法の改善」が認められることから、有用性加算(II)が適用されました
 次は、ブリディオン静注です。有効成分は、スガマデクスナトリウムで、シェリング・プラウの開発です。スガマデクスナトリウムは、ロクロニウム臭化物又はベクロニウム臭化物との包接体形成作用を有し、「ロクロニウム臭化物又はベクロニウム臭化物による筋弛緩状態からの回復」を効能・効果とします。薬価算定は、同様の効能・効果等を持つ類似薬がないことから、原価計算方式により行われました。本剤の営業利益率の算出にあたっては、本剤は、筋弛緩薬と包接体を形成して除去するという新規の薬理作用を有していることから革新性が認められることに加え、既存薬では無効であった「深い筋弛緩状態」等の患者に対しても有効であるものの、国内における臨床試験成績が限られていることから、限定的な評価とされ、平均的な営業利益率プラス20%の営業利益率、すなわち23.0%を用いることとされました。

icon テモダール点滴静注用とザラカム配合点眼液の薬価算定根拠

テモダールの薬価算定表

ザラカムの薬価算定表

 次は、テモダール点滴静注用です。有効成分はテモゾロミドでシェリング・プラウの開発です。テモゾロミドは、DNAアルキル化によるDNA傷害作用を有し、「悪性神経膠腫」を効能・効果とします。既存のカプセル剤の経口投与が困難な患者のために開発されたもので、薬価算定は、このカプセル剤を比較対照薬に類似薬効比較方式(I)で行われました。
 次は、ザラカム配合点眼液です。有効成分は、ラタノプロストとチモロールマレイン酸塩の配合剤で、ファイザーの開発です。ラタノプロストは、プロスタグランジン受容体刺激作用による房水流出促進作用を、チモロールマレイン酸塩は、交感神経β受容体遮断作用による房水産生抑制作用を有し、「緑内障、高眼圧症」を効能・効果とします。薬価算定は、既存の2製剤を比較対照薬とする、類似薬効比較方式(I)で行われ、両剤の1日薬価の合計が、本剤の1日薬価とされました。

 以上、10成分13品目は、平成22年3月31日の中医協総会で審議され、4月16日に薬価基準に収載されました。

 

提供 : 株式会社スズケン



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