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<スズケンDIアワー> 平成22年9月2日放送内容より スズケン

セロトニン受容体拮抗型制吐薬 パロノセトロン塩酸塩


帝京大学内科学 教授
江口 研二

icon 本邦におけるパロノセトロン臨床試験成績

 遅発性の悪心・嘔吐に対して、このパロノセトロンが非常に有効ではないかということで、海外でも大規模な第III相試験が実施されました。日本でも「PROTECT試験」が行われました。

抗がん薬別の嘔吐完全抑制率

 日本のデータをご紹介します。グラニセトロンとパロノセトロンの比較試験では、急性期の完全抑制率に関しては、各々で75%、73%ということで、急性期に関しては非常に両方とも効果があります。遅発性のもの、悪心・嘔吐の完全抑制率を見ますと、パロノセトロン群が57%、グラニセトロン群が44%で遅発性の嘔吐に対する完全抑制率では有意にパロノセトロン群がよいという結果が出ました。
 現在、シスプラチンなどの高度催吐性のある化学療法について、パロノセトロンを1回だけ使用することで、従来の5-HT3拮抗薬の効果と同等のものとして使用できます。

icon 悪心・嘔吐に対する標準治療

 新たにパロノセトロン、アプレピタントとも制吐剤として強力に使うことが可能になりました。

シスプラチン投与に伴う悪心・嘔吐に対する標準治療

 現在、パロノセトロンのより良い使い方が、臨床試験で検討されています。デキサメタゾン、アプレピタントにパロノセトロンを加えるというものが恐らく一番標準的な治療としては用いられるということになるのではないかと思います。
 また、パロノセトロンと抗うつ剤オランザピン(®ジプレキサ)等を比較する臨床試験の成績が今年の米国臨床腫瘍学会などで発表されており、これらも興味のある臨床試験と考えられます。今後、がん化学療法について、患者が悪心・嘔吐について、急性期も遅発性のものもできるだけそれを経験せずに済む時代がもう目の前に来ているのではないかと思います。

 

提供 : 株式会社スズケン



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