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<スズケンDIアワー> 平成22年9月9日放送内容より スズケン

緑内障治療用配合点眼薬トラボプロスト・チモロールマレイン酸塩


日本大学視覚科学系眼科学 准教授
山崎 芳夫

 本日は緑内障・高眼圧症治療薬の一般名トラボプロスト0.004%/チモロールマレイン酸塩0.5%配合点眼液(商品名:デュオトラバ®配合点眼液)をご紹介します。
 緑内障領域において、日本では本年初めて配合点眼剤が承認され、臨床使用が可能となりました。すでに欧米諸国では様々な緑内障配合点眼剤が発売され、10年以上の使用実績があり、数多くの臨床試験結果が報告されています。

icon 緑内障の治療

 緑内障には様々な病型がありますが、そのうち開放隅角緑内障は一般的に薬物療法から治療が開始されます。現在の緑内障薬物療法は、強力な眼圧下降効果が認められ、全身性の副作用が少ないことでプロスタグランジンF2α関連薬が第1選択薬として使用されます。しかし、視野障害の進行などにより、さらなる眼圧下降が必要な場合は、作用機序の異なる複数の薬物での併用治療が選択されます。プロスタグランジンF2α関連薬の併用薬としてβ遮断薬や炭酸脱水酵素阻害薬などが選択され、これらの組み合わせにより治療が行われています。緑内障は、初期から中期にかけての段階では患者の自覚症状がほとんどありません。また、点眼薬の種類が増えるに伴い、患者の点眼に対する負担が大きくなり、点眼コンプライアンスが低下する場合が報告されています。このように自覚症状の乏しい超慢性疾患である緑内障はいかに患者が毎日の点眼を実施できるかという、点眼コンプライアンスやアドヒアランスが治療成績に大きく影響するといわれています。
 日本での緑内障配合剤の承認は欧米諸国におけるものより遅れていました。しかし2005年の厚生労働省の配合剤承認要件の緩和により、「患者の利便性の向上に明らかに資するもの」、「その他配合意義に科学的合理性が認められるもの」が追加され、我が国の眼科領域においても緑内障配合剤が本年、一斉に承認・発売されるに至りました。

icon 配合剤のメリット

 点眼製剤における配合剤の利点としては、2種の点眼薬の併用治療ではそれぞれの薬剤の点眼時間の間隔を5分あけることが推奨されています。しかし配合剤にすることで点眼回数が軽減し、患者負担も軽減できます。また点眼時間の間隔が不十分な場合には、先に点眼した薬剤の効果が洗い流されて薬効の低下を招く可能性がありますが、配合剤では洗い流し効果が回避さることが期待されます。さらに点眼本数が軽減することで防腐剤の曝露量を減少でき、眼表面疾患のリスクを軽減できると考えられます。このように配合剤では多くのメリットが考えられます。

 

提供 : 株式会社スズケン



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