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<スズケンDIアワー> 平成22年9月9日放送内容より スズケン

緑内障治療用配合点眼薬トラボプロスト・チモロールマレイン酸塩


日本大学視覚科学系眼科学 准教授
山崎 芳夫

icon トラボプロスト・チモロールマレイン酸塩の概要

 トラボプロスト・チモロールマレイン酸塩の眼圧下降効果ですが、トラボプロスト・チモロールマレイン酸塩はプロスタグランジンF2α関連薬であるトラボプロストの眼圧下降効果に、β遮断薬であるチモロールを配合し、その眼圧下降効果を増強した配合点眼液です。効能・効果は緑内障、高眼圧症で、点眼回数は1回1滴、1日1回です。用法・用量には「原則、単剤での治療を優先すること」との注意事項が記載されております。これは、日本緑内障学会の緑内障診療ガイドラインの「少ない薬剤で最大限の効果を」という記載に基づいて、過剰な治療を防ぐ目的で記載されております。しかし、治療開始時から強力な眼圧下降が必要な症例などには第1選択薬として使用される場合もあるかと思います。また、2つの薬剤を1つの配合製剤にしたため、添加剤等に工夫がされています。トラボプロスト・チモロールマレイン酸塩の特徴の一つとして、一般に点眼剤の防腐剤として使用され、眼表面に対して影響があるベンザルコニウム塩化物は使用されず、塩化ポリドロニウムという保存剤が使用されています。塩化ポリドロニウムは日本国内ではソフトコンタクトレンズの消毒液であるオプティフリーの主成分として使用され、海外では人工涙液やドライアイの治療薬の保存剤として使用されているものです。これら添加剤を工夫することでpHを6.5から7.0のヒトの涙液に近い中性域のpHに調整し、しみにくい液性となっています。更に、室温保存で製剤化し、患者の利便性を向上させた配合剤となっています。

icon 臨床試験成績から

デュオトラバ配合点眼液の眼圧下降効果

 こちらはトラボプロスト・チモロールマレイン酸塩(商品名:デュオトラバ®)の日本国内の第III相臨床試験の成績です。原発開放隅角緑内障/高眼圧症を対象とした無作為化二重遮蔽並行群間比較試験にて、トラボプロスト点眼液を比較対象に、いずれも朝8時の点眼を12週間継続し、10時、12時、16時の時点での眼圧値を測定し、ベースラインからの眼圧下降値を示しています。それぞれの測定点、および全測定点の併合解析において、トラボプロスト・チモロールマレイン酸塩はトラボプロストを統計学的に有意に上回る眼圧下降効果が認められました。
 また、正常眼圧緑内障を含めた原発開放隅角緑内障および高眼圧症を対象としたオープンラベル試験による長期投与試験において、併用治療例からトラボプロスト・チモロールマレイン酸塩へ切り替えた患者アンケート結果では、2本以上の薬剤が投与されていた42例に対する利便性の評価です。76%の患者がトラボプロスト・チモロールマレイン酸塩の方が便利と答え、不便になったと答えた患者はいませんでした。このように、すでに併用治療されている患者に対して配合点眼剤の治療に切り替えることで負担軽減が期待されます。しかし、治療においては臨床効果も評価した上で配合剤治療に適した患者を見極めることが重要です。

 

提供 : 株式会社スズケン



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