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<スズケンDIアワー> 平成22年9月30日放送内容より スズケン

関節リウマチ治療薬 アバタセプト(遺伝子組換え)


産業医科大学 第一内科 教授
田中 良哉

icon はじめに

 関節リウマチは、多発関節痛、関節の破壊や変形のため古代から人類を痛めつけてきた難病です。しかし、免疫学の進歩により関節リウマチがリンパ球の病気である自己免疫疾患であることが解明され、免疫異常を是正することによって疾患を制御する治療が開発されてきました。特に、病態形成において重要な役割を担うTNFなどのサイトカインを標的とした生物学的製剤は、関節リウマチの治療に革命的な進化を及ぼしました。本邦ではすでに4種類の抗サイトカイン薬が市販されていますが、このたび、免疫系の司令塔であるT細胞を標的とした治療薬、アバタセプトが発売されました。そこで、前半は関節リウマチ治療の最近の考え方、後半は新規治療薬アバタセプトの紹介を行います。

icon 関節リウマチの治療

 関節リウマチは、関節滑膜炎を病態の主座とする全身性の自己免疫疾患、膠原病の1つです。30から50歳代の女性に好発し、約70万人の患者数がいると言われます。しかし、発症早期から関節破壊が進行し、破壊や変形が進行すると不可逆的な身体機能障害を引き起こすため、早期からの適切な治療が必要であると言われます。ただ、従来の治療は痛み止め、いわゆる抗炎症薬、消炎鎮痛薬やステロイド薬などの対症療法による補助療法が中心でした。しかし、現在のリウマチ治療は免疫異常を是正して疾患制御を目的とした免疫抑制薬(いわゆる抗リウマチ薬)が使われます。その代表が、メトトレキサート(MTX)です。

2010年RA分類基準

 ことし、23年ぶりに関節リウマチの分類基準、診断基準が改定されましたが、ここでも1つ以上の関節腫脹のある患者に対して、関節炎、急性期反応、血清学的異常、罹病期間などからなるスコアリングシステムを用いて診断し、リウマチと診断されればメトトレキサートによる治療開始が推奨されています。すなわちメトトレキサートは関節リウマチの治療においてアンカードラッグ、使用しなくてはいけない標準的治療薬、あるいは基本的な治療薬という位置づけであります。

 

提供 : 株式会社スズケン



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