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<スズケンDIアワー> 平成22年10月7日放送内容より スズケン

ARB・カルシウム拮抗薬配合剤 テルミサルタン・アムロジピンベシル酸塩


愛媛大学附属病院腎臓・高血圧内科 病院教授
大藏 隆文

 ARBであるテルミサルタンとカルシウム拮抗薬アムロジピンとの配合薬である商品名ミカムロ配合錠APに関して解説させていただきます。

icon 高血圧治療と配合剤

 わが国では、脳卒中や心筋梗塞などの心血管病の発症リスクとなる高血圧患者さんの数は、約4000万人にものぼると推測されています。このため、厳格に血圧をコントロールすることによって、脳卒中や心筋梗塞などの心血管イベントを抑制することが重要であると考えられています。さらに近年では食生活の欧米化に伴い、肥満、また肥満によって血圧が上昇したり、血糖値が上がったり、中性脂肪が上昇したりする、いわゆるメタボリックシンドロームの患者さんが増加しています。さらに糖尿病の患者さんも爆発的に増加してきており、糖尿病の合併症として腎機能が低下している患者さんも増加しています。したがって、メタボリックシンドロームや糖尿病、腎機能障害などの疾患を合併している高血圧患者さんも多く、これらの合併症を考慮に入れた高血圧治療が重要となっています。
 日本高血圧学会の高血圧治療ガイドライン2009年度版では、高血圧患者さんに最初に使用する薬剤として、血圧を上昇させるホルモンであるアンジオテンシンIIという物質の作用を抑える、アンジオテンシンII受体拮抗薬(以下ARB)およびACE阻害薬、血管を強力に広げる作用のあるカルシウム拮抗薬(以下Ca拮抗薬)、塩分および水分を体外に排泄する利尿薬、心臓の機能を調節して血圧を下げるβ遮断薬の5つを推奨しています。この5つの降圧薬の中で腎臓の悪い方、糖尿病、メタボリックシンドロームを合併した高血圧患者さんではARBかACE阻害薬をまず使用することを推奨しています。そしてわが国ではACE阻害薬と比較して副作用の少ない、ARBが第一選択薬として主に使用されています。
 一方、降圧薬を既に内服している高血圧患者さんでも、血圧が目標値までコントロールされている方は、30-40%と血圧コントロールが不十分であることが報告されています。この原因の1つとして、1剤の降圧薬では十分な血圧低下が得られず、血圧管理が十分に行えなえていないことが考えられます。この様な場合、2剤以上の降圧薬を併用することが必要になります。わが国の降圧薬の併用状況をみますと、ARBとCa拮抗薬の2剤の併用が最も多く行われています。その背景には、ARBおよびCa拮抗薬の有効性と安全性が確立していることにあります。すなわち、日本人ではARBやCa拮抗薬は、降圧効果に加えて、心臓や脳、腎臓などの臓器保護効果が強く、重篤な副作用もほとんど認められていません。
 このような背景から、欧米に続き、わが国でも、厳格な降圧を達成するために、降圧薬の配合剤が続々と承認、発売されています。わが国の配合剤の承認、発売は2006年のARBと少量の利尿薬から始まりましたが、本年からはARBとCa拮抗薬の配合剤も販売が開始されました。

 

提供 : 株式会社スズケン



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