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<スズケンDIアワー> 平成22年10月7日放送内容より スズケン

ARB・カルシウム拮抗薬配合剤 テルミサルタン・アムロジピンベシル酸塩


愛媛大学附属病院腎臓・高血圧内科 病院教授
大藏 隆文

icon テルミサルタン・アムロジピンベシル酸塩の特徴

ミカムロ配合錠はミカルディス40mgとアムロジピン5mgの合剤

 今回ご紹介しますテルミサルタン・アムロジピンベシル酸塩(商品名:ミカムロ配合錠AP)はARB、であるテルミサルタン(商品名:ミカルディス)を40mgとCa拮抗薬であるアムロジピン5mgとの配合剤です。
 ミカムロ錠に含まれるアムロジピンは、Ca拮抗薬の中でも、薬を内服後、その降圧効果が消失するまでの時間が最も長く、強力な降圧効果が24時間にわたって持続するため、脳卒中、狭心症、心筋梗塞などの心血管病の予防効果に優れています。
 一方、テルミサルタンもARBのなかで、アムロジピンと同様に、薬の効果が長時間持続することから、24時間にわたる安定した降圧効果を発揮します。
 実際に他のARBであるバルサルタンとの比較試験で、テルミサルタンの降圧効果は長時間持続し、服用後18時間から24時間においてバルサルタンと比較して、血圧を有意に低下させることが報告されています。服用後18時間以降という時間帯は、深夜から早朝に相当し、脳卒中や心筋梗塞が発症しやすい時間帯です。テルミサルタンは強力かつ長時間持続する降圧効果によって、これらの心血管病の発症抑制に強く働くと考えられます。欧米ではテルミサルタンの心筋梗塞や脳卒中などの心血管病の発症抑制効果が大規模臨床試験において証明され、その結果、テルミサルタンは2009年10月にARBで唯一、心血管病発症予防の適応を取得しました。残念ながら今のところ日本では予防投与の適応が認められないことから、このような心血管病のイベント抑制効果の適応は認められていません。
 さらに、テルミサルタンは選択的PPARγ活性化作用を有することが知られています。PPARγを活性化することによって、血糖値の上昇をおさえたり、中性脂肪を低下させたりするなど、血圧以外の代謝面において好影響を及ぼすことが期待されています。このため最近、テルミサルタンはメタボサルタンとも呼ばれています。
 これまで述べてきました特徴を有する降圧薬であるテルミサルタンとアムロジピンを組み合わせた、ミカムロ錠によって、どのような優れた降圧効果が期待できるのか、国内で実施された3つの臨床試験の結果を紹介したいと思います。

アムロジピン5mg/日で降圧目標未達成例において・・・

 1つ目の試験は、アムロジピン5mgを投与しても、拡張期血圧が90mmHg未満に達しなかった高血圧患者さんを対象に、ミカムロ錠に切り替えた群とアムロジピン5mgを継続した群に割り付け、降圧効果を比較しました。その結果、ミカムロ錠はアムロジピン5mgを継続した群よりも収縮期血圧を7.2mmHg、拡張期血圧を5.1mmHg低下させることが示されました。

ミカルディスで降圧目標未達成例において・・・

 2つ目の試験は、テルミサルタン40mg投与でも降圧効果が不十分であった高血圧患者さんを対象に、ミカムロ錠に切り替えた群とテルミサルタン40mgを継続した群に割り付けました。そして、テルミサルタン40mg継続群に比べ、ミカムロ錠投与群では収縮期血圧で11.4mmHg、拡張期血圧で8.0mmHgの血圧低下が示されました。

ミカムロ配合錠AP群のベースラインからの・・・

 3つ目の試験は、これらの二つの試験から引き続きミカムロ錠の投与をおこない降圧効果を観察した長期臨床試験です。ミカムロ錠を投与された高血圧患者さんの95.3%で収縮期血圧が140mmHg未満もしくは、試験開始時から20mmHg以上の収縮期血圧の低下が認められ、高い奏功率が示されました。また、すでに述べた2試験の試験開始時の収縮期血圧値によって、4群間に層別化し、56週間後の血圧低下度を4群間で比較した結果、収縮期血圧が高ければ高いほど、血圧低下度は大きく、特に試験開始時の収縮期血圧が170mmHgを越えた患者さん群での収縮期血圧の低下度は48.2mmHgと強力な降圧効果が示されました。

 

提供 : 株式会社スズケン



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