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<スズケンDIアワー> 平成22年10月28日放送内容より スズケン

骨粗鬆症治療用ヒト副甲状腺ホルモン製剤テリパラチド(遺伝子組換え)


鳥取大学保健学科 教授
萩野 浩

 本年(2010年)7月23日に、ヒト副甲状腺ホルモン1-34(テリパラチド)が骨粗鬆症治療薬として製造販売承認されました。この薬剤は、わが国で承認された始めての骨形成促進剤です。強力な骨形成作用により、十分な骨量増加が得られ、優れた骨折予防効果が証明されています。本剤は、本年7月現在、欧米の他、韓国、台湾、インド、シンガポールなど世界84カ国で承認されていて、日本は85カ国目の承認国です。

 本日は、このテリパラチドの特徴とこれまでの臨床試験結果に基づいて、その有用性をご紹介致します。

icon 骨リモデリングへのテリパラチドの関与

 さて、骨はリモデリングと呼ばれる新陳代謝を繰り返しています。これは、破骨細胞によってまず海綿骨表面や皮質骨血管周囲から骨が吸収され、削られ、その後、骨芽細胞によって、新しい骨が形成されていく過程をとります。骨粗鬆症は様々な原因によって、この骨の吸収と形成にインバランスを生じ、吸収量の方が、形成量よりも多いため、骨量が減少し、骨強度が低下して発症いたします。骨粗鬆症治療薬は、この破骨細胞による骨吸収を抑制する、骨吸収抑制剤と、骨芽細胞による骨形成を促進する、骨形成促進剤とに分けられます。テリパラチド(PHT1-34)は骨形成を強力に促進する薬剤です。PTHはご存知のごとく、副甲状腺から分泌され、血中カルシウム濃度を調節する重要な因子です。PTHの合成と分泌は血中カルシウム濃度の低下によって促進されます。

テリパラチドの構造

 ヒトPTHは84のアミノ酸を有する一本鎖ポリペプチドであり、分子量は9,425Daです。ヒトPTHのN末端から34番目までのペプチド(1-34)、すなわちテリパラチドで、ほぼ完全に1-84の作用を補完し、ミネラルイオンホメオスタシスを十分に調節することができる ことが知られています。
 PTHには以下の3つの作用があります。1)骨からのカルシウムの放出を増加させる作用、2)カルシウムの腎クリアランスを低下させる作用、3)活性型ビタミンDの産生を促進する作用の3つです。

 

提供 : 株式会社スズケン



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