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<スズケンDIアワー> 平成22年10月28日放送内容より スズケン

骨粗鬆症治療用ヒト副甲状腺ホルモン製剤テリパラチド(遺伝子組換え)


鳥取大学保健学科 教授
萩野 浩

icon テリパラチドの効能・効果

 さて、テリパラチドの適応は、骨粗鬆症の中でも、「骨折リスクの高い骨粗鬆症」です。これは、低骨密度、既存骨折、加齢、大腿骨近位部骨折の家族歴等の、骨折のリスクファクターを有する患者です。骨粗鬆症による脆弱性骨折をひとつ以上起こしている例がその適応となると言うこともできます。骨粗鬆症による椎体の脆弱性骨折は、ひとつ起こると、ふたつ目、3つ目の骨折が加速度的に起こりやすくなることが広く知られています。そのような骨折リスクの高い例に、本剤を使用することで、きわめて効率的に、次の骨折を予防することが可能となります。本薬剤は注射薬で、1日1回20μgを自己注射によって皮下に注射します。また、本剤の投与は18ヵ月間までに制限されています。この投与期間上限は、臨床試験における投与期間から、有効性と安全性のバランスを審査した結果で、各国の規制当局から承認されたものです。日本においても、ブリッジング試験として計画されましたので、諸外国と同様に18カ月間の国内臨床試験を実施しました。その審査の結果、投与期間上限が18カ月間として承認されました。この治療期間後には、サームやビスフォスフォネートなどの骨吸収抑制剤に変更して、しばらく骨粗鬆症治療を継続することが推奨されます。

 わが国の骨粗鬆症患者は1,100万人以上といわれていますが、実際に治療を受けている患者はその2割程度と推定されています。また治療を受けている例でも、骨折の危険性が高い患者については、現在使用されている骨吸収抑制剤では十分とは言えず、より短期間で強力に、新しい骨を増やし、骨微細構造を再構築する薬剤が望まれています。テリパラチドは既存の骨粗鬆症治療薬で満たされないこのようなニーズを満たす薬剤として、私達が待ち望んでいた薬剤です。本薬剤により、治療の幅が広がり、骨粗鬆症患者のQOLを高めることが可能となりますので、骨粗鬆症治療は全く新しい時代に突入します。

 

提供 : 株式会社スズケン



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