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<スズケンDIアワー> 平成22年11月11日放送内容より スズケン

多発性骨髄腫治療薬(サリドマイド誘導体)レナリドミド水和物


癌研有明病院 血液腫瘍科 部長
畠 清彦

icon 日本における処方の留意点

 ここで、欧米の学会等、例えばヨーロッパの血液学会、米国血液学会、米国がん治療学会で、最近のこの薬剤をめぐるトピックスについて触れたいと思います。
 その前に、日本でこの処方をする場合には、製薬企業のほうから提供される薬剤師が持っていただいて、トレーサビリティを示す機械によって、患者がどのくらいきちんと服用されたか、コンプライアンスをチェックしながら服用していただくことが原則になっております(レブメイトと言います)。またできれば、医師、処方する薬剤師は、DVDによって協力を受けて、事前に登録をすることが要望されております。今のところ、発売後、全例調査をすることが義務づけられていますので、日本血液学会の専門医を育てる研修病院等ではそのまま処方が可能ですが、必ず事前に登録をすることが必要です。また、企業からの協力を受けることも要望されております。
 したがって、薬剤師の果たす役割は非常に多く、レブリドミドが正しく服用されているかどうか、前回服用量、残薬の有無、そして看護師によって血栓を含めた副作用がないかなどをチェックする必要があります。医師がすべてを行う時代から、チームで全力を合わせて協力しながら、有害事象を管理していくことが重要だと思います。
 血栓症のほかに、血液の腫瘍に対する作用から、骨髄抑制で血小板減少や好中球減少が発現します。その間、感染症対策、血小板減少に対する出血の対策等が必要となります。最初の1年間は、14日間しか処方ができませんので、2週間ごとに来ていただいて血液検査を行うことが重要です。

icon 薬剤をめぐる国際的トピックス

 さて、国際的なトピックスを述べたいと思います。
 これまでの標準治療であるMP療法にこのレナリドミドを添加したLMP療法もしくはMPR療法というのが報告されております。非常に高い奏効率を示し、また、非常に早く奏効することが特徴です。奏効を得られる期間がわずか4週間程度であること、また長期に効果が認められることが利点です。また、移植後にこのレナリドミドによって、部分寛解以上または完全寛解に対して維持療法として使用しますと、再発が低下することが報告されています。これらは臨床第III相試験として報告されていますので、いずれ欧米では標準治療とされ、MPR療法という併用療法並びにレナリドミドの維持療法が承認、使用されることになると思います。日本でもいずれはこの併用療法の試験を行わなければいけないと思います。しかし、いましばらく第二選択として、または第三選択として、できるだけ状態のよい患者に使うこと、活動性の血栓がある場合は使わないようにすること、血栓予防薬を処方できる方に使用すること、などに注意をしていただきたいと思います。

 

提供 : 株式会社スズケン



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