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<スズケンDIアワー> 平成22年11月18日放送内容より スズケン

新薬の薬価算定根拠(32)


日本大学薬学部薬事管理学 教授
白神 誠

 前回の放送以降薬価基準に収載された新医薬品の薬価算定根拠について説明します。

icon ロゼレム錠とリリカカプセルの薬価算定根拠

 はじめは、ロゼレム錠です。有効成分は、ラメルテオンで、武田薬品工業の開発です。ラメルテオンは、メラトニン受容体刺激作用を有し、「不眠症における入眠困難の改善」を効能・効果とします。薬価算定は、効能・効果等が類似するゾルピデム酒石酸塩の製剤であるアステラス製薬のマイスリー錠を比較対照薬に類似薬効比較方式(I)で行われました。本剤は、新規作用機序を有し、既存の不眠症治療薬で認められる休薬後の不眠症状の増悪などが発現する可能性は低いと評価されていることから、「臨床上有用な新規の作用機序を有する」と考えられ、有用性加算(II)適用されました。ただし、臨床的な効果が認められたのは睡眠導入時間の短縮のみであったことを踏まえ、限定的な評価とされています。
 次は、リリカカプセルです。有効成分は、プレガバリンで、ファイザーの開発です。プレガバリンは、電位依存性カルシウムチャネルのα2δサブユニット結合によるカルシウム流入の抑制を介した興奮性神経伝達物質遊離の抑制作用を有し、「帯状疱疹後神経痛」を効能・効果とします。薬価算定は、同様の効能・効果等を持つ類似薬がないことから、原価計算方式により行われました。営業利益率は、平均的な営業利益率である19.2%とされました。

icon ユニシア配合錠とネシーナ錠の薬価算定根拠

 次は、ユニシア配合錠です。有効成分は、カンデサルタン シレキセチルとアムロジピンベシル酸塩の配合剤で、武田薬品工業の開発です。カンデサルタン シレキセチルは、アンジオテンシンII受容体拮抗作用を、アムロジピンベシル酸塩は、カルシウムチャンネル遮断作用を有し、「高血圧症」を効能・効果とします。薬価算定は、内用配合剤の薬価算定の特例ルールに従い行われ、具体的には、自社品のあるカンデサルタン シレキセチルの部分については単味製剤ブロプレス錠の0.8倍の薬価に、自社品がないアムロジピンベシル酸塩の部分については、後発品のうち最も安い価格と他社先発品の0.8倍の価格を比較した上で、より安い後発品の最低価格が採用されましたが、合計した薬価がブロプレス錠の薬価を下回ったことから、ブロプレス錠と同額が薬価とされました。
 次は、ネシーナ錠です。有効成分は、アログリプチン安息香酸塩で、武田薬品工業の開発です。アログリプチン安息香酸塩は、ジペプチジルペプチダーゼ4阻害作用を有し、「(1)食事療法、運動療法のみ、あるいは(2)食事療法、運動療法に加えてα-グルコシダーゼ阻害剤を使用のいずれかの治療で十分な効果が得られない場合の2型糖尿病」を効能・効果とします。薬価算定は、効能・効果、薬理作用等が類似するシタグリプチンリン酸塩水和物の製剤である萬有製薬(現在はMSD製薬)のジャヌビア錠と小野薬品工業のグラクティブ錠を比較対照薬に類似薬効比較方式(I)で行われました。

 

提供 : 株式会社スズケン



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