→ 番組表はこちら
→ストリーミング版はこちら
<スズケンDIアワー> 平成22年11月18日放送内容より スズケン

新薬の薬価算定根拠(32)


日本大学薬学部薬事管理学 教授
白神 誠

icon メタクト配合錠とビクトーザ皮下注の薬価算定根拠

 次は、メタクト配合錠です。有効成分は、ピオグリタゾン塩酸塩とメトホルミン塩酸塩の配合剤で、武田薬品工業の開発です。ピオグリタゾン塩酸塩とメトホルミン塩酸塩は、ともにインスリン抵抗性改善作用を有し、「ピオグリタゾン塩酸塩及びメトホルミン塩酸塩の併用による治療が適切と判断される場合の2型糖尿病」を効能・効果とします。薬価算定は、内用配合剤の薬価算定の特例ルールに従い行われ、具体的には、自社品のあるピオグリタゾン塩酸塩の部分については単味製剤アクトス錠の0.8倍の薬価に、自社品がないメトホルミン塩酸塩の部分については、後発品のうち最も安い価格と他社先発品の0.8倍の価格を比較した上で、より安い他社先発品の0.8倍の価格が採用されましたが、合計した薬価がアクトス錠の薬価を下回ったことから、アクトス錠と同額が薬価とされました。
 次は、ビクトーザ皮下注です。有効成分は、遺伝子組換のリラグルチドで、ノボ ノルディスク ファーマの開発です。リラグルチドは、GLP-1受容体刺激作用を有し、「(1)食事療法、運動療法のみ、あるいは(2)食事療法、運動療法に加えてスルホニルウレア剤を使用のいずれかの治療で十分な効果が得られない場合の2型糖尿病」を効能・効果とします。薬価算定は、同様の効能・効果等を持つ類似薬がないことから、原価計算方式により行われました。営業利益率は、平均的な営業利益率である19.2%とされました。

icon ネスプ注射液とベクティビックス点滴静注の薬価算定根拠

 次は、ネスプ注射液です。有効成分は、遺伝子組換えのダルベポエチン アルファで、協和発酵キリンの開発です。ダルベポエチン アルファは、赤血球増加作用を有し、「腎性貧血」を効能・効果とします。本剤は、既存の静注用製剤について、保存期慢性腎臓病患者に対する効能・効果や、皮下投与の追加などを行うとともに、販売名の変更などを行ったものです。したがって、本剤の薬価は、既収載の静脈用製剤と同額とされました。
 次は、ベクティビックス点滴静注です。有効成分は、遺伝子組換えのパニツムマブで、武田薬品工業の開発です。パニツムマブは、ヒト上皮細胞増殖因子受容体(EGFR)阻害作用を有し、「KRAS遺伝子野生型の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」を効能・効果とします。薬価算定は、効能・効果等が類似する遺伝子組み換えのセツキシマブの製剤であるメルクセローノのアービタックス注射液を比較対照薬に類似薬効比較方式(I)で行われました。

 

提供 : 株式会社スズケン



前項へ 1 2 3 次項へ