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<スズケンDIアワー> 平成22年11月18日放送内容より スズケン

新薬の薬価算定根拠(32)


日本大学薬学部薬事管理学 教授
白神 誠

icon ソリリス点滴静注とコソプト配合点眼液の薬価算定根拠

 次は、ソリリス点滴静注です。有効成分は、遺伝子組換えのエクリズマブで、アレクシオンファーマの開発です。エクリズマブは、終末補体複合体生成阻害作用を有し、「発作性夜間ヘモグロビン尿症における溶血抑制」を効能・効果とします。薬価算定は、同様の効能・効果等を持つ類似薬がないことから、原価計算方式により行われました。営業利益率は、平均的な営業利益率である19.2%とされました。
 次は、コソプト配合点眼液です。有効成分は、ドルゾラミド塩酸塩とチモロールマレイン酸塩の配合剤で、萬有製薬(現在のMSD製薬)の開発です。ドルゾラミド塩酸塩は、炭酸脱水酵素阻害作用により、またチモロールマレイン酸塩は、交感神経β受容体遮断作用により、それぞれ房水産生抑制作用を有し、「緑内障、高眼圧症」を効能・効果とします。本剤は配合剤であることから、それぞれの有効成分を比較対照薬に類似薬効比較方式(I)で算定が行われました。具体的には、ドルゾラミド塩酸塩の製剤である萬有製薬のトルソプト点眼液とチモロールマレイン酸塩の製剤である萬有製薬のチモプトール点眼液の1日薬価を合計して算定されています。

icon デュオトラバ配合点眼液とフェントステープの薬価算定根拠

 次は、デュオトラバ配合点眼液です。有効成分は、トラボプロストとチモロールマレイン酸塩の配合剤で、日本アルコンの開発です。トラボプロストは、プロスタグランジン受容体刺激作用による房水流出促進作用を、またチモロールマレイン酸塩は、交感神経β受容体遮断作用による房水産生抑制作用を有し、「緑内障、高眼圧症」を効能・効果とします。本剤は配合剤であることから、それぞれの有効成分を比較対照薬に類似薬効比較方式(I)で算定が行われました。具体的には、トラボプロストの製剤である日本アルコンのトラバタンズ点眼液とチモロールマレイン酸塩の製剤である萬有製薬のチモプトール点眼液の1日薬価を合計して算定されています。
 次は、フェントステープです。有効成分は、フェンタニルクエン酸塩で、久光製薬の開発です。フェンタニルクエン酸塩は、求心性痛覚伝導路抑制作用と下行性痛覚抑制賦活による鎮痛作用を有し、「中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛」を効能・効果とします。本剤は、既存のフェンタニルの貼付製剤が3日毎に1回貼付するところを、1日1回の製剤に変更したもので、したがって、既存のフェンタニルの貼付剤である、ヤンセンファーマのデュロテップMTパッチを比較対照薬に類似薬効比較方式(I)で算定が行われました。ただし、算定に当たっては、デュロテップMTパッチの企業調査による平均使用量と本剤の長期投与試験での平均使用量に基づき1日薬価合わせが行なわれました。

 以上の12成分29品目は平成22年6月2日の中医協総会で審議され、平成22年6月11日に薬価基準に収載されました。

 

提供 : 株式会社スズケン



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