帝京大学名誉教授 清水 直容
はじめに
平成19年6月に発行されました日本医薬情報センター(JAPIC)重篤副作用疾患別対応マニュアル第1集に、薬剤性パーキンソニズム(パーキンソン症候群:Drug−induced Parkinsonism)が掲載されております。副作用の世界的用語集の一つであるMedDRAにも薬剤誘発性の用語がありますが、添付文書全部検索いたしましたがパーキンソニズムという用語はありませんでした。
パーキンソニズムとは、体内のドーパミンが不足して起きるパーキンソン病と同じ症状を示すと考えますと、医薬品によって引き起こされる場合もあります。
例えば、医薬品使用後に、動作が遅くなった、声が小さくなった、表情が少なくなった、歩き方がふらふらする、歩幅が狭くなった、一歩目が出ない、手が震える、止まれず走り出すことがある、手足が固いといったような訴えがあったときには注意が必要で、ドーパミン作用の弱まりが原因です。
また、錐体外路症状また錐体外路障害にも少し触れますが、それは、症状が類似的な理由からであります。脳から脊髄に至る神経路障害のうち、錐体路症候を除いたものが錐体外路症状で、その中には、小脳症状も含まれます。パーキンソン症候群とパーキンソン病は異なりますが、パーキンソン病に類似する病態として考えます。また、錐体外路障害とか錐体外路症状の分類内にも、その記載がありますので、その医薬品も触れてみたいと思います。
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