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<スズケンDIアワー> 平成22年11月25日放送内容より スズケン

添付文書の中の副作用(25)医薬品によるパーキンソン症候群


帝京大学名誉教授
清水 直容

icon 添付文書での記載例

 添付文書にある記載とか症候の事例は、同じ副作用欄でも書き方は違っております。
 例えば、パーキンソン症候群(振戦、筋強剛、流涎、寡動、歩行障害、仮面様の顔貌、嚥下障害等、構音障害など)と括弧内で書かれているのもありますし、パーキンソン症候群という同じ副作用名でありますのに、括弧が、手指の振戦、筋の強剛、流涎などと書かれているのもあります。また、パーキンソン様症状、括弧として、静止時振戦、硬直、姿勢・歩行異常などと書かれているのもあります。また、単に、パーキンソン症状と書かれているのもあります。また、先ほど申しました、錐体外路症状に、パーキンソン症候群とアカシジア(静座不能)と書いてあるのもあります。
 大脳皮質から脊髄路を通る神経は、大脳、中脳、pons(橋)、上部延髄、下部延髄、頸髄、胸髄、腰髄と分類され、錐体は延髄の腹側の真ん中付近にあります。そして、それ以外の神経が錐体外路ですが、上記錐体外路症状は解剖学的な同定ではなく大脳の基底核である、線条、淡蒼球、ルイ体、そして、黒質などの障害で、随意運動障害、不随意運動の出現、筋の緊張異常、筋のトーヌス異常増加、それらに関連する姿勢や姿勢反射の異常のことであります。


icon パーキンソンの診断基準について

 パーキンソンという名前から始めてみたいと思います。これには症状により点数をつける診断の基準があり、筋肉がつる、筋肉が固い、運動がゆっくりになった、体の一部が勝手に動く、揺れる感じがある、落ち着きがない、よだれが出るなどの症状をその程度により0から4点を、それぞれに配点し、6点を超えたらば疑うという記載があります。不随意運動すべてではありませんし、不随意運動にはいろいろな言葉があり、舞踏運動、ジストニア、チック、ミオクローヌス、下肢静止不能症候群、発作性ジスキネジア、アカシジア、遅発性ジスキネジアなど多くの名称が含まれています。
 このパーキンソンという人物は、1817年生のイギリス人ですが、その最初に書かれた症状のところには、震える、震顫、無動、固縮、姿勢反射障害などが書かれております。パーキンソン病は日本では10万人に1人ぐらいに認められるものですが、他の大脳基底核障害でも認められる症候群と理解でき、日本にも診断基準があります。Hoehn Yahrというパーキンソン病の重症度分類もあり、T度からX度までに分類されますが、最近はその分類に8項目があります。現在、パーキンソン病診断には画像診断も使われます。MIBG;iodine-123(metaiodobenzyl-guanidine)を投与した後で、心筋のシンチグラフィー検査を行い、MIBGの取り込みが低下している場合、さらに中脳のエコー検査で黒質の輝度上昇などが診断に用いられております。本日は診断には触れません。医薬品を使用した際に同じ症候群を示した場合についての勉強であります。

 

提供 : 株式会社スズケン



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