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<スズケンDIアワー> 平成22年12月2日放送内容より スズケン

単回吸入抗インフルエンザ薬 ラニナミビルオクタン酸エステル水和物


東北大学 加齢医学研究所抗感染症薬開発研究部門 教授
渡辺 彰

icon 抗インフルエンザ薬開発の現状

 昨年来のいわゆる新型インフルエンザは、スペインかぜや香港かぜなどと比べて死亡数がかなり少なかったことが特徴です。わが国は特に少なく、厚生労働省の調査では、本年5月末までの死亡がほぼ200名であり、米国の推計12000人とは大きな違いです。人口10万対の死亡率もわが国は0.16と、その次に低いドイツのほぼ半分でした。わが国の被害が少なかったのは、抗インフルエンザ薬、すなわちタミフルやリレンザを最も多く、そして最も効果的に使ったからだ、と考えられています。
 わが国では10年ほど前から、インフルエンザの疑われる患者は迅速診断キットで検査し、陰性でも疑いの強い患者にはタミフルやリレンザなどをすぐ投与してきました。発症後48時間以内に投与開始すべきことも知られています。さらに、そうした医療にすぐアクセス出来る国民皆保険の完備した体制が大きく貢献した、と考えられています。
 一方、海外では、New England JournalやJAMAなどの一流誌の論文を見ても早期投与が確実に行われているとは言えず、そうなりますと、多くの種類の抗インフルエンザ薬を揃えることが重要です。
 わが国は現在、新しい抗インフルエンザウイルス薬の開発で世界のトップに立っています。互いに異なるユニークな特徴を持つ3つの薬剤の内2つが実用化され、もう一つも開発の最終段階にあるのですが、世界ではこれらに続く新しい抗インフルエンザウイルス薬の臨床開発はなく、しばらくはわが国が優位を保つものと考えています。

 

提供 : 株式会社スズケン



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