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<スズケンDIアワー> 平成22年12月2日放送内容より スズケン

単回吸入抗インフルエンザ薬 ラニナミビルオクタン酸エステル水和物


東北大学 加齢医学研究所抗感染症薬開発研究部門 教授
渡辺 彰

イナビルとタミフル投与例のインフルエンザ罹病時間 成人

 インフルエンザ患者におけるイナビルの臨床試験は2007年から開始されました。最初に、タミフルの1日2回,5日間反復経口投与を対照とした臨床第U相試験が行われ、その結果、イナビルは有効であることが確認されたのを受け、2008年から9年にかけてはやはりタミフルを対照薬とした第V相試験が行われました。すなわち、成人のA型またはB型インフルエンザウイルス感染症患者を対象とし、イナビルの20mg、及び40mg単回吸入投与群の有効性と安全性を、タミフル75mgの1日2回,5日間反復経口投与と比較する二重盲検比較試験の形で、日本、台湾、香港及び韓国の4地域による国際共同試験として実施されました。その結果、イナビル40mg投与群のインフルエンザ罹病時間が73.0時間で、20mg投与群の85.8時間より優れると共に、タミフルの1回75mg、1日2回、5日間投与群の73.6時間とほぼ同等であり、イナビルがタミフルとほぼ同等の有効性を示すことが確認されました。また、問題となる有害事象はいずれの投与群でも認められませんでした。

イナビルとタミフル投与例のインフルエンザ罹病時間 9歳以下

 3歳から9歳までを対象とした小児の第U並びに第V相試験は、タミフルのドライシロップ投与を対照とする二重盲検比較試験としてインフルエンザ罹病時間を主要な評価項目に置いて実施されました。その結果、イナビルの20mg、40mg の各投与群でいずれもタミフル投与群より有意に優れた効果が認められ、安全性についても問題となる有害事象は認められませんでした。以上より、イナビルは成人でタミフルとほぼ同等、9歳以下の小児ではタミフルより優れた効果を示し、安全性に特段の問題はないことも確認されたことになります。

 最後に、繰り返しになりますが、日本が行ってきたインフルエンザ対策は世界で一番優れており、今後の第二波でも従来からの対策を確実に行えばよい、と考えております。そして、ラピアクタに続いて登場したイナビルは簡便に使える抗インフルエンザ薬であり、こうした新しい薬剤を効果的に使うことによってインフルエンザの被害はさらに抑えることが可能になります。もちろん、服薬指導が不可欠ですので、薬剤師の先生との協力が必要ですし、販売元の製薬企業から提供される情報も十分にご確認いただきたいと思います。

 

提供 : 株式会社スズケン



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