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<スズケンDIアワー> 平成22年12月16日放送内容より スズケン

医薬品・医療機器等安全性情報−最近の話題(22)


NTT東日本関東病院 薬剤部長
折井 孝男

icon 安全性に関する検討結果について

間質性肺炎,血小板減少性紫斑病・血小板減少,アレルギー性紫斑病について

 安全対策に関する検討結果では、平成21年10月19日の接種開始以降,平成22年3月31日までに厚生労働省に報告された国産新型インフルエンザワクチンの副反応,及び機構に報告された季節性インフルエンザワクチンの副反応の報告状況について整理・調査を行い,使用上の注意の改訂の必要性について検討が行われました。
 副反応報告集積状況及び因果関係評価の結果より,間質性肺炎に関する副反応報告については,投与前後の画像所見の収集等評価を行う上で十分な情報が得られない症例,ワクチン接種に伴う発熱や偶発的な感染等が間質性肺炎増悪の契機となった可能性を否定できない症例など,インフルエンザワクチン接種と増悪を含む間質性肺炎の関係が明確とは言えないものが多くみられました。しかし、ワクチン接種と副反応の発現との時間的関係から複数の増悪例、因果関係が否定できない症例が集積しています。したがって,ワクチン接種後に間質性肺炎の発症や増悪が起こる可能性を視野に入れた経過観察を行い,早期発見に努めることが重要であることから,使用上の注意を改訂し,(増悪を含む)間質性肺炎についての情報提供を行うこととしました。
 血小板減少性紫斑病・血小板減少,アレルギー性紫斑病については,因果関係の否定できない症例の集積があることから,使用上の注意を改訂することが適切であると考えられました。

厚生労働省が製薬企業に指示した、医薬品を使う上での新たな注意事項

 また,これら以外の国内での集積症例数の少ない副作用のうち,海外の不活化インフルエンザワクチンは国産ワクチンや輸入ワクチンとは製法・成分の異なるものがあるものの,国内においても注意喚起の必要性を検討することと考え,米国で販売されている主な不活化インフルエンザワクチンの添付文書の記載状況について調査を行いました。
 その結果,脳炎・脳症,脊髄炎については,最近の3年間に因果関係が否定できないと評価された報告が,新型インフルエンザワクチンで2例,季節性インフルエンザワクチンで6例あり,海外添付文書においても注意喚起がなされている状況を踏まえ,国内添付文書においても同様に注意を喚起することが適切と考えられました。
 なお,輸入ワクチンに関する改訂については,平成22年1月に承認された2つの製品とも,現在まで,国産ワクチンと比較して接種者数が極めて少なく,重篤な副反応の報告も1例のみであり,また,製法や添加物も国産ワクチンと異なるため,副反応発生傾向が同等であるかどうかは現時点では明らかではありません。しかしながら,今後接種者数が増加すれば国産ワクチンと同様に副反応が生じ得るものとして,今回,併せて注意喚起を行うことが適切であるとしています。

使用上の注意の改訂指示

 今までにお話したことから,新型インフルエンザワクチン及び季節性インフルエンザワクチンの添付文書に間質性肺炎,血小板減少性紫斑病・血小板減少,アレルギー性紫斑病,脳炎・脳症,脊髄炎を追加して記載し,注意喚起を行うこととし,平成22年8月25日に合同検討会での評価検討を経て,関係企業に対し,平成22年8月26日に使用上の注意の改訂指示を行いました。


icon おわりに

 今後の安全対策については、平成22年10月より,平成22年シーズンの新型インフルエンザワクチン接種事業が実施要領に基づき開始されました。接種実施医療機関においては,新型インフルエンザワクチンによる副反応の発生に引き続き注視するとともに,「副反応報告基準」に該当する副反応を診断した場合は,速やかな報告が必要です。
 今後とも,これらの副反応報告等の安全性に関する情報を収集し,引き続き安全対策の必要性を検討する必要があります。

 

提供 : 株式会社スズケン



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