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<スズケンDIアワー> 平成22年12月23日放送内容より スズケン

話題の新薬2010-(3)


獨協医科大学 名誉学長
原田 尚

icon 2型糖尿病の治療薬;シタグリプチンリン酸塩水和物

 次に、2型糖尿病の治療薬;シタグリプチンリン酸塩水和物についてお話しします。

シタグリプチンリン酸塩水和物の構造式

 この薬は、米国で創薬されたジベプチジルペプチダーゼ−4阻害薬で、新しい作用機序の経口糖尿病治療薬です。食後に消化管から分泌されるインクレインの血糖降下作用に着目して、その血糖依存性的にインスリンの分泌を促進し、グルカゴンの分泌を抑制することにより、血糖値をコントロールします。2006年、米国で承認され、現在世界80ヵ国で使用されています。
 効能・効果は糖尿病ですが、食事・運動療法や、他の糖尿病治療薬等で無効な症例とされています。成人では、一回50mgを一日一回、経口投与します。副作用は8%に見られ、低血糖症状などです。


icon 肺炎球菌による感染症の予防薬;沈降7価肺炎球菌結合型ワクチン

 次に、肺炎球菌による感染症の予防薬;沈降7価肺炎球菌結合型ワクチンについてお話しします。

沈降7価肺炎球菌結合型ワクチンの構造式

 肺炎球菌による感染症は、小児でもっとも危険性の高い疾患の一つです。約90種類ある血清型のうち、乳幼児に重篤な感染症を起こさせる7種の肺炎球菌莢膜ポリサッカライドを無毒性変異ジフテリア毒素に結合させ、乳幼児に対して有効なワクチンが作成されました。
 初回免疫は、一回0.5mLずつ3回、27日間以上の間隔をあけて皮下注射いたします。また、追加免疫は一回0.5mLを1回皮下注射します。副作用は、90%に見られ、注射部位の紅班、硬結・腫脹などです。


icon 子宮頸ガン及び前がん病変の予防薬;HPV様粒子

 同じく、子宮頸ガン及び前がん病変の予防薬;ヒトパピローマウイルス(HPV)16型及び18型ウイルス様粒子についてお話しします。

組換え沈降2価ヒトパピローマウイルス様ワクチンの構造式

 子宮頸がんは、乳がんに次いで成人女性で多い悪性疾患ですが、その主因がヒトパピローマウイルスであることが判明しております。成熟した女性では、パピローマウイルスの感染率は非常に高いのですが、そのほとんどが自然免疫によって排除されます。しかし、パピローマウイルス16型及び18型ががん化するとされています。若年女性に対して、このHPV16及び18型由来のL1たんぱくを会合した、非感染性ウイルス粒子などからなる、アジュバント等を含有するワクチンが作成されました。2007年オーストラリアで承認され、現在世界100カ国で使用されています。
 効能・効果は、ヒトパピローマウイルス16または18型に起因する子宮頸がん及びその前駆病変の予防です。
 10歳以上の女性では、通常一回0.5mLを0、1か月、6か月と3回、上腕の三角筋内に筋注します。副作用は、注射部位の疼痛、発赤などが高率に認められますし、アナフィラキシーショックを起こすことがあるので、注意しなければなりません。

 

提供 : 株式会社スズケン



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