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<スズケンDIアワー> 平成23年1月6日放送内容より スズケン

第31回日本臨床薬理学会年会を終えて


京都薬科大学 学長
乾 賢一

icon 特別講演から

特別講演

 特別講演5題はいずれも今回のテーマに沿った話題性の高いトピックスばかりで、うち三人を外国から招待いたしました。米国FDA の臨床薬理学・レギュラトリーサイエンスのリーダー的存在であるLawrence J. Lesko 先生には「米国の医薬品開発と承認におけるレギュラトリーサイエンスの革新」と題する講演をしていただきました。Lesko先生は約1ヶ月前に体調を崩されたために、海外渡航がかなわずVIDEO講演となりましたが、FDAの最近の動向、医薬品開発におけるレギュラトリーサイエンスの新機軸について示唆に富んだ迫力ある講演を聞かせていただきました。
 また、ファーマコゲノミィクスの大御所的な存在であるドイツのMichel Eichelbaum先生は、現在マルガレーテ・フィッシャー・ボッシュ臨床薬理学研究所に在籍しておられますが、「ファーマコゲノミィクスの半世紀における反映」と題して、薬物代謝酵素を中心としたファーマコゲノミィクスのこれまでの歩み、今後の課題と展望について語っていただきました。
  米国、ハーバード大学医学部教授で、現在米国腎臓学会会長であるのJoseph V. Bonventre先生には、腎障害のバイオマーカーについて紹介し、薬剤性腎障害の予測の可能性、臨床応用について解説していただきました。
 先端医療振興財団、臨床研究情報センター長の福島雅典先生には「文科省橋渡し研究支援推進プログラムの切り拓く日本の新規医療技術開発体制」と題し、日本発の薬を創出するにあたり、トランスレーショナルリサーチや医師主導治験などの現状や課題について解説いただきました。福島先生は腫瘍内科医としても著名でありますが、現在は文部科学省橋渡し研究支援推進プログラムの中心的役割を果たしておられます。アカデミア発の新薬開発の現状と未来に向けて、また製薬企業や国策としての創薬産業に対して強い刺激となる情熱的な福島先生の講演に、多くの聴衆が魅了されました。 
   さらに、京都大学大学院医学研究科教授の成宮周先生には「プロスタノイド受容体;分子、薬物、橋渡し研究」と題して、プロスタノイド受容体の基礎研究から選択的アゴニストの医師主導治験実施に至る一連の研究成果を紹介していただき、まさに本年会のテーマにふさわしい講演でありました。薬理学のイメージを変えた研究者であり、またトランスレーショナルリサーチ推進の第一人者でもある成宮先生のご講演は、多くの聴衆に強いインパクト与えたことと思います。


icon 教育講演から

 前回、横浜市で開催された年会では、教育講演の人気が高く会場は超満員でありました。そこで今回の年会では、約400人を収容できる会場を教育講演専用に設けました。演者は、関西を中心に、各分野でネームバリューのある先生方を揃え、過去最多の17題を企画しました。
 すなわち、京都大学iPS細胞研究所の中畑龍俊先生による「iPS細胞の臨床展開」、宇部フロンティア大学人間社会学部の神谷晃先生による「CRCの今後」、兵庫医療大学薬学部の東純一先生による「ファーマコゲノミックス(PGx)のいろは」、京都大学大学院医学研究科の小杉眞司先生による「臨床研究のガイドライン」など盛り沢山であります。予想通りいずれの教育講演も大盛況でありました。教育講演の会場にずっといるだけで、各分野の基本的な知識の収集のみならず、最新の状況もよく理解できたのではないかと思います。

 

提供 : 株式会社スズケン



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