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<スズケンDIアワー> 平成23年1月6日放送内容より スズケン

第31回日本臨床薬理学会年会を終えて


京都薬科大学 学長
乾 賢一

icon シンポジウムの話題

 次に、シンポジウムについて紹介したいと思います。国際シンポジウムが二つありました。シンポジウム1は、NEDO マイクロドーズプロジェクトによる企画で「早期探索的臨床試験の国際的動向と医薬品開発戦略の革新」をテーマとして英国EMEA から3 名の講演者を迎え、早期探索的臨床試験の役割について活発な議論がなされました。またシンポジウム21「PGxの未来」は、日米韓合同の国際シンポジウムとして企画されました。ファーマコゲノミクス分野における日米韓の第一人者を交えたシンポジウムで、特別講演のEichelbaum先生も討論に加わっていただき、今後の研究の方向性を含めて幅広く議論が展開されました。
   シンポジウム24「新医薬品開発をめぐる話題」は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)が主体となって企画されたシンポジウムであります。企業研究者のみならず、医療現場で治験を担当する医師、薬剤師、CRCにとって興味深いセッションのため、最終日の午後にも拘らず会場は超満員でありました。座長2人、演者4人の全員がPMDAの職員でありましたが、これまでPMDAの職員が個々に演者を務めたことはあっても、全員がPMDAという例は過去に無かったと思います。
 最近の治療分野をテーマにしたものでは、シンポジウム3「細胞治療」、シンポジウム4「膠原病・リウマチ性疾患の薬物治療学の進歩」、日本薬理学会と共催のシンポジウム15「分子標的薬とゲノムバイオマーカー」などがありました。
 がん領域では、シンポジウム7「抗がん薬耐性と臨床薬理、最近の展開」、シンポジウム12「抗がん剤のPK/PDとPGx〜個別化投薬へ向けて〜」がありました。抗がん剤は副作用が問題になりますので、適正使用のために遺伝子情報を絡めたPK/PDの概念を取り入れていくことが重要であります。
 このほか、シンポジウム6「これからのCRC:臨床試験を支援するスタッフの教育」、シンポジウム9「トランスポーター研究の臨床薬理」、シンポジウム20「医学と薬学教育のコア・カリキュラムにおける臨床薬理学教育を点検する」など多くの興味深いテーマのセッションが続き、活発な講演と討論がなされました。


icon 一般演題など

 一般演題の応募も多数いただきました。口頭発表が70題、ポスター発表が181題あり、臨床薬理学に関する最新の知見や話題が多岐にわたって報告されました。ポスター会場は展示と併設されていましたが、示説時間になると大盛況となりました。なお本年は40歳未満の一般演題応募者の中から、選考委員会において優秀演題4件を選び、総会の時に表彰を行いました。

プログラム

 最後に、会長講演は「薬物治療における基礎と臨床の橋渡し:From Bench to Bedside」と題して、私が京大病院薬剤部で進めてきた薬物動態研究の基礎と臨床展開を中心に、薬剤業務の科学的基盤の確立や臨床薬理学への貢献について私見を述べさせていただきました。


icon 次回開催について

 このように、27年ぶりに京都で開催された第31回日本臨床薬理学会年会を大盛況のうちに終えることができましたことを、大変光栄に思っている次第です。これもひとえに関係各位、講演者、参加者の皆様のお陰と深く感謝いたしております。次回の年会は、浜松医科大学の渡邉裕司先生のお世話で2011年12月1日〜3日に浜松市で開催される予定です。

 今回の京都での年会が、臨床薬理学に広がりと深まりをもたらす新たな展開の第一歩となりますことを願ってやみません。

 

提供 : 株式会社スズケン



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