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<スズケンDIアワー> 平成23年1月20日放送内容より スズケン

GLP−1アナログ糖尿病治療薬 エキセナチド


順天堂大学代謝内分泌学講座 先任准教授
綿田 裕孝

icon 2型糖尿病の病態と治療

 2型糖尿病は、血糖を下げる唯一のホルモンであるインスリン分泌の低下とインスリン抵抗性のため、インスリン作用不足を来たし、高血糖を示す疾患です。この原因には、複数の遺伝因子と環境因子が関与することが知られていますが、インスリン分泌能の低下は主に、遺伝因子により、インスリン抵抗性の増大は主に、運動不足や過食などの環境因子により起こると考えられています。

2型糖尿病の自然歴

 この2型糖尿病の病態は病期により、変化します。多くの2型糖尿病では、発症前から運動不足や過食などの環境因子により、インスリン抵抗性が出現しますが、血糖値がそれほど増加しないのは、膵β細胞がインスリン抵抗性を代償する目的でインスリンを多量に分泌するためです。糖尿病の経過を通じて、インスリン抵抗性が糖尿病の発症初期以上に悪化することは、ほぼありませんが、インスリン抵抗性を代償するのに必要な膵β細胞機能が低下するため、インスリン分泌機能が徐々に低下し、その結果、空腹時血糖および食後血糖が徐々に上昇します。
 このような病態を加味した糖尿病治療として、インスリン抵抗性を軽減させる目的で、まず、食事療法、運動療法を指導、それでも残存するインスリン抵抗性に対してビグアナイド薬、チアゾリジン誘導体を処方します。αグルコシダーゼ阻害剤は、ここに示す病態の改善には直接関与しませんが、腸管からのブドウ糖の急峻な流入を抑制することで、インスリン需要量を軽減させる効果があります。 徐々に低下していく膵β細胞機能に関しては、その残存する膵β細胞機能を加味して、グリニド製剤、SU剤、インスリン製剤を用いて、膵β細胞機能を補完するというのが、インクレチン製剤が登場するまでの、病態に応じた2型糖尿病治療法でした。

 

提供 : 株式会社スズケン



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