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<スズケンDIアワー> 平成23年2月3日放送内容より スズケン

トロンボポエチン受容体作動薬 エルトロンボパグオラミン


大阪大学附属病院輸血部 病院教授
冨山 佳昭

icon はじめに

 本日は、昨年(2010年)12月10日に特発性血小板減少性紫斑病に対して新たに承認、発売されましたトロンボポエチン受容体作動薬;エルトロンボパグオラミン(以下エルトロンボパグ)について紹介させて頂きます。エルトロンボパグはトロンボポエチン受容体に結合することによりトロンボポエチンと同様に、血小板増加作用を発揮する全く新しいタイプの薬剤です。


icon トロンボポエチン受容体作動薬の作用機序

トロンボポエチン受容体作動薬の作用

 血小板造血因子であるトロンボポエチン(以下TPO)は1994年に初めて単離されました。TPOはアミノ酸332個よりなる分子量95,000ダルトンの蛋白であり、直ちにその臨床応用に向けて2種類の遺伝子組み換えTPO製剤が開発されました。血小板は巨核球から産生されますがTPOは巨核球のみならず血液幹細胞にも作用し、巨核球数を増加させ、その結果血小板数を増加させます。実際、これらのTPO製剤は健常人に対し濃度依存性に血小板数を増加させ、その増加は投与5日目より観察され、10日から14日でピークに達することが示されました。このようにTPOならびにTPO受容体作動薬は、その血小板増加作用を最大に発揮するためには、約2週間を必要とすることが特徴として挙げられます。一方、残念なことに健常人に対する臨床治験において、TPO製剤投与後に逆に血小板数が減少する有害事象が出現しました。その原因は遺伝子組み換えTPO製剤に対して中和抗体が誘導され、その抗体が内因性のTPOの作用までをも抑制したためであることが分かりました。この有害事象により、TPO製剤の開発は直ちに中止となっています。

 

提供 : 株式会社スズケン



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