国立長寿医療研究センター病院内科総合診療部 部長 遠藤 英俊
きょうは、アルツハイマー型認知症の薬物療法についてお話をしたいと思います。
アルツハイマー型認知症の治療薬
現在の国内の認知症患者は、これまで高齢者人口の7〜8%ではないかと言われていましたが、昨年の統計で、高齢者人口の約11%に上るのではないかという報告がありました。その結果、推計値で認知症の患者は300万人と見積もられています。そして、そのうち約半数がアルツハイマー病ではないかと考えられています。
この11年間、私どもはアルツハイマー病治療薬として、ドネペジル塩酸塩(商品名アリセプト)を使ってまいりました。その中で我々は、早期発見、早期治療が非常に重要だということがわかってまいりました。また、単に薬物療法だけではなく、その周りの環境、家族とのかかわりが非常に重要であることを痛感してまいりました。
本年になり、新しく三つの薬剤が承認をされました。コリンエステラーゼ阻害剤としてガランタミン(商品名;レミニール)、リバスチグミン(商品名;エクセロン)、そしてリバスタッチがこの6月から認められようとしています。
これ以外に、きょうお話ししますメマンチン塩酸塩(商品名;メマリー)がこの3月から承認を受けて使用できるようになっています。
一般臨床医、専門医にとって、新しいアルツハイマー病治療薬が登場したことで、薬剤選択の時代になったと思っております。新しくその人に合った、症状に合わせた使い分けをしていく時代になったかと思います。そのために、本日はコリンエステラーゼ阻害薬並びにこのメマンチン塩酸塩に関して少し情報を提供していきたいと思います。
従来から、コリンエステラーゼ阻害剤は、効果も有効性も認められますが、悪心、嘔吐、消化器症状の副作用もありました。さらには、長期使用した場合に興奮しやすい症状をとることもありました。そのために、認知症の症状を見ていくことと、さまざまな周辺症状、(BPSD)に対しても、どう医師としてかかわるかが大事だと考えてまいりました。そのためには、時には抑肝散などの漢方薬を利用する、またはグラマリールやリスパダールなどを使うこともありましたが、きょうは新薬について理解し、その使用法を少し報告したいと思います。
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