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<スズケンDIアワー> 平成23年3月17日放送内容より スズケン

医薬品・医療機器等安全性情報−最近の話題(23)ケトプロフェン外用剤による光線過敏症に
関わる安全対策について−


NTT東日本関東病院 薬剤部長
折井 孝男

icon 光線過敏症の発現状況について

ケトプロフェン外用剤による光線過敏症の発現状況

 医療用医薬品のケトプロフェン外用剤については,昭和61年の販売以降平成22年5月までに,皮膚障害の副作用が4,252例(うち重篤症例は90例)報告されました。そのうち光線過敏症は2,028例(うち重篤症例は47例)みられました。
 また,健康保険組合のレセプトデータを用い,平成17年1月から平成20年12月の間にケトプロフェン又はフルルビプロフェンなどの類薬の外用剤が処方された症例における光線過敏症の発現状況が比較されました。その結果,ケトプロフェン外用剤の処方から2ヵ月以内に光線過敏症と診断された割合は0.05%でした。また、フルルビプロフェン外用剤では0.03%など,ケトプロフェン外用剤処方例における光線過敏症の割合は,類薬と比較してやや高いか同程度であり,大きな差は認められませんでした。
 一般用医薬品のケトプロフェン外用剤については,平成9年の発売以降平成22年6月までに,皮膚障害の副作用が538例(うち重篤症例は2例)報告されました。そのうち光線過敏症は28例(うち重篤症例は2例)でした。

ケトプロフェン外用剤による光線過敏症の発現状況

 このような状況から,国内における医療用医薬品のケトプロフェン外用剤による光線過敏症の発現率は,類薬と大きな差異はなく,欧州での検討結果と比較して重篤症例の割合は少ないと考えられました。しかし,国内においても毎年一定数の光線過敏症の報告が継続的に認められていることから,医療用医薬品については欧州と同様の注意喚起を行う必要があると判断されました。
 一方,一般用医薬品のケトプロフェン外用剤については,国内における光線過敏症の副作用報告数は少なく,現時点で国内の販売を中止する状況にはないと考えられました。しかし、一般用医薬品では予防的対策として,オクトクリレンを含有する製品との併用を行わないことについても,注意喚起を行うこととなりました。
 これらの検討結果を受け,厚生労働省は医療用医薬品及び一般用医薬品の関係企業に対し,平成22年10月付で使用上の注意の改訂指示を行いました。さらに,一般用医薬品については,販売店,消費者に対し、より伝わりやすい形で注意喚起を行うこととしました。
 なお,ケトプロフェン外用剤による光線過敏症は使用後数日から数ヵ月を経過して発現することもあり,使用後は当分の間,同様に注意することとしています。ゲル剤,ローション剤,クリーム剤についてもパップ剤と同様に,従来の2週間から4週間は紫外線に対する注意が必要である旨の記載に改めることとなりました。

ケトプロフェン外用剤による光線過敏症の発現状況

 一般用医薬品のケトプロフェン外用剤のリスク区分について,製造販売後調査を実施中であったパップ剤は第一類医薬品,ゲル剤,クリーム剤等のその他の外用剤は第二類医薬品とされてきました。今般,ケトプロフェンパップ剤の製造販売後調査が終了し,市販後調査報告書が提出されました。さらに,欧州での対応も踏まえ光線過敏症に係る安全対策措置を検討し,一般用医薬品のケトプロフェン外用剤のリスク区分の見直しについても併せて検討が行われました。
 その結果,一般用医薬品については、第一類医薬品とする必要はないものの,パップ剤のみならず,ゲル剤,クリーム剤等の外用剤についても薬剤師及び登録販売者が関与する対面販売による情報提供が必要であるとしました。そして、光線過敏症について消費者へよりわかりやすい情報提供を徹底することが適当であるとして,第二類医薬品のうち,特別の注意を要するものとして厚生労働大臣が指定する指定第二類医薬品とすること。さらに、情報を提供するための設備から7m以内の範囲に陳列する等の措置を求めることが適当ということになりました。


icon まとめ

一般用医薬品のケトプロフェン外用剤のリスク区分

 ケトプロフェン外用剤は,医療用及び一般用の消炎,鎮痛剤として広く使用されています。光線過敏症のリスクについては,医療従事者への情報提供の徹底に加え,製品個装箱表示の改善や患者向けの注意喚起資材の配布などにより,患者又は購入者に対しても理解しやすい注意喚起を行う必要があるとしました。
 今後とも,これらの資材等を活用し、患者又は購入者に情報提供するとともに,ケトプロフェン外用剤による光線過敏症に引き続き注意し,副作用が生じた場合には速やかに報告をお願いすることとしました。
 特に,一般用医薬品のケトプロフェン外用剤については,指定第二類医薬品としての取り扱いの徹底に加え,薬剤師及び登録販売者から購入者に対して,光線過敏症のリスクに関する積極的な情報提供を行うことが必要です。

 

提供 : 株式会社スズケン



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