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<スズケンDIアワー> 平成23年3月31日放送内容より スズケン

話題の新薬2010-(4)


獨協医科大学 名誉学長
原田 尚

icon 腎性貧血治療薬;ダルベポエチンアルファ(遺伝子組換え)

 次に、腎性貧血の治療薬;ダルベポエチンアルファ遺伝子組換えについてお話しします。

ダルベポエチンアルファの構造式

 我が国の維持透析患者数は28万人を超えていますが、その際の腎性貧血に対して、従来はヒトエリスロポエチン製剤を1週ないし2週に1回投薬が必要とされ、これは患者にとって大きな負担でありました。シアル酸の数をふやすことによって、血中半減期が延長することから本薬が開発され、2007年に透析中の患者の腎性貧血に対して承認され、さらに今回は保存型の慢性腎臓病患者にも追加承認されました。
 用法・用量は、血液透析中の患者については、初回、週に1回、20㎍を静注し、腹膜透析患者及び保存期の慢性腎疾患患者においては、初回、週1回、30㎍を皮下または静脈内に注射します。さらに、他剤からの切りかえにおいては、初回、2週に1回、30ないし120㎍を皮下または静脈内に注射、維持量としては2週に1回、30ないし120㎍を使います。副作用は32%に見られ、血圧の上昇、シャント血栓、閉塞などであり、重大な副作用としては脳梗塞、脳出血などが起こることがあります。


icon 溶血抑制薬;エクリスマブ遺伝子組換え

 次に、発作性の夜間ヘモグロビン尿症における溶血抑制薬;エクリスマブ(遺伝子組換型)についてお話しします。

エクリスマブの構造式

 この疾患は、アンカー型終末補体制御因子の遺伝子の突然変異によって発症するとされ、この薬はその終末補体複合体を阻害します。1回600㎎から始め、点滴静注します。
 副作用は93%に見られ、頭痛、鼻咽頭炎などであり、重大な副作用としては髄膜炎菌感染症やアナフィラキシーショックなどの見られることがあります。


icon 悪性神経膠腫治療薬;テモゾロミド

 次に、悪性神経膠腫治療薬;テモゾロミドについてお話しします。

テモゾロミドの構造式

 この薬は、初め、カプセル薬として発売されましたが、悪心、嘔吐等の副作用があるため、嚥下困難の患者に対しての静脈用の製剤が開発されました。
 用法・用量は、放射線治療と併用して、体表面積当たり75mgを1日1回、42日間静注、4週間休薬し、さらに150㎎を1日1回、5日間注射し、23日間休薬、これを1クールとします。1クール以後は、量を200㎎として繰り返します。副作用は97%に見られ、血球減少症などであります。

 

提供 : 株式会社スズケン



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