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<スズケンDIアワー> 平成23年4月14日放送内容より スズケン

骨粗鬆症治療用活性型ビタミンD3誘導体製剤 エルデカルシトール


虎の門病院内分泌センター 部長
竹内 靖博

icon エルデカルシトールの特徴

 本日取り上げます新しい活性型ビタミンD3誘導体製剤であるエルデカルシトールは、このような要請に基づいて開発された骨粗鬆症治療薬のひとつです。

エルデカルシトールのビタミンD活性

 エルデカルシトールは、1,25水酸化ビタミンD3であるカルシトリオールにヒドロキシ プロピル オキシ基を導入した誘導体であり、ビタミンD受容体に結合して作用を発揮するとされています。エルデカルシトールはカルシトリオールに比べてビタミンD結合蛋白との結合能が高いことが特徴であり、これが本薬剤の作用特性に関連するものと推測されています。
 エルデカルシトールはわが国で独自に開発された薬剤であり、国内で臨床治験が実施されました。アルファカルシドールを対照薬とした第3相臨床治験において、エルデカルシトールは骨密度上昇効果のみならず骨折抑制効果についても対照薬を上回ることが明らかにされております。このような臨床成績に基づいて、エルデカルシトールは骨粗鬆症の治療薬として本年(2011年)1月に製造販売承認が得られ、3月に薬価収載されました。 エルデカルシトールを骨粗鬆症患者に投与した場合の臨床成績をもう少し詳しく見てみます。


骨密度変化率の推移

 まず初めに、骨密度上昇効果について見てみますと、エルデカルシトール投与群では腰椎骨密度は144週目まで上昇を続け、投与開始前と比べて平均3.4%の上昇が得られました。また、対照薬であるアルファカルシドールと比べても3.3%の有意な骨密度上昇効果が認められています。同様の結果は大腿骨近位部の骨密度でも得られています。

 次に、骨吸収マーカーである尿中NTXの抑制効果についてお示しします。

尿中NTXの推移

 エルデカルシトール投与群では投与後24週目で約30%の尿中NTXの抑制効果が得られており、その効果は144週目まで安定して維持されていました。対照薬となったアルファカルシドールによるNTXの抑制効果はごく軽度であり、エルデカルシトールとの間には明らかな違いが認められました。また、薬剤投与開始前の尿中NTXの値で層別化して解析した結果を見てみますと、NTXが61以上で閉経前女性の基準値上限を超える群では、エルデカルシトールによりNTXは約50%も低下するものの、投与前のNTXが40未満の群ではほとんどNTXの低下は認められませんでした。結果として、エルデカルシトール投与により、大部分の患者においてNTXは閉経前女性の基準値内に維持されており、骨吸収の正常化が達成されたものと考えられます。

 さらに、最も重要な骨折抑制効果について見てみます。

1年毎の新規椎体骨折発生頻度

 新規椎体骨折の解析結果からは、エルデカルシトール投与群はアルファカルシドール投与群と比較して、投与1年目では差を認めないものの、2年目には35%の、3年目には47%の椎体骨折発生の減少を認めました。このうち、3年目の骨折減少率には統計学的に有意な差が認められました。
 非椎体骨折に関しては、骨粗鬆症による骨折部位である大腿骨近位部、上腕骨および前腕骨の3部位で検討してみると、エルデカルシトールにより48%の統計学的に有意な骨折抑制効果が得られております。特に前腕骨の骨折では71%もの骨折抑制効果が認められており、エルデカルシトールでは海綿骨よりも皮質骨の骨強度に対する効果が強い可能性が推測されます。

 

提供 : 株式会社スズケン



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