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<スズケンDIアワー> 平成23年4月14日放送内容より スズケン

骨粗鬆症治療用活性型ビタミンD3誘導体製剤 エルデカルシトール


虎の門病院内分泌センター 部長
竹内 靖博

icon エルデカルシトールの作用機序

 ここでエルデカルシトールの骨粗鬆症治療における位置づけを考えてみたいと思います。

エルデカルシトールの作用機序

 エルデカルシトールは活性型ビタミンD3誘導体ですから、その作用機序の本質はカルシトリオールやアルファカルシドールと同様のものであると考えられます。したがって、エルデカルシトールにより、加齢に伴うカルシウム代謝異常、すなわちビタミンD活性化障害やカルシウム吸収障害を改善する効果が期待されます。一方で、エルデカルシトールには、アルファカルシドールと比較して、非常に強力な骨吸収抑制作用が認められることから、単にカルシウム代謝異常を改善するのみならず、骨吸収を担う破骨細胞に対する直接的な抑制作用が想定されます。このような仮説の間接的な証拠としては、カルシウム排泄量の増加作用においてはアルファカルシドールと同程度の効果を示すエルデカルシトールをヒトに投与することにより、アルファカルシドールの6−7倍も強力な骨吸収マーカーの抑制効果が認められることが明らかにされています。実際の臨床治験でも同様の効果が明らかにされており、エルデカルシトールによる破骨細胞機能の抑制が示唆されます。動物を用いた基礎研究から、活性型ビタミンD3には、破骨細胞の形成を抑制する作用が認められていることから、エルデカルシトールはアルファカルシドールに比べて、相対的に、破骨細胞の形成抑制作用が強い、という可能性が推測されます。したがって、エルデカルシトールはアルファカルシドールの持つカルシウム代謝改善作用に加えて、強力な骨吸収抑制作用という、骨代謝に直接に作用して骨粗鬆症治療に貢献する作用をも併せ持つ薬剤であるという可能性が考えられます。

icon まとめ

 本日のお話しをまとめますと、まず第1に、骨粗鬆症には骨代謝異常とカルシウム代謝異常の二つの要因が存在すること、また、閉経に伴うエストロゲン欠乏のみならず加齢に伴うビタミンD作用の障害も骨粗鬆症の病態に関与すること、そしてこのような病態を踏まえて、骨粗鬆症の治療を考えることが大切であるということをお話しいたしました。二番目に、ごく最近処方が可能となった新規の活性型ビタミンD3誘導体であるエルデカルシトールは、従来から骨粗鬆症の治療に用いられていたアルファカルシドールと同様にカルシウム代謝異常を改善する効果を示すことはいうまでもありませんが、エルデカルシトールはアルファカルシドールを大きく上回る骨吸収抑制作用を発揮することから、骨代謝に直接関わる破骨細胞を抑制する効果をも併せ持つ可能性がある、ということをお話しいたしました。そして、わが国における臨床治験において、このエルデカルシトールを投与することにより、アルファカルシドール投与に比べて、特に非椎体骨折の発症が抑制される可能性が明らかにされたことをお話いたしました。最後に、エルデカルシトールは、骨代謝とカルシウム代謝に多面的な有用性を発揮する可能性のある薬剤であるということを踏まえて、その骨粗鬆症治療における位置づけを考えてみました。

 本日のお話しが先生方の骨粗鬆症診療のお役に立ち、一人でも多くの患者さんの骨折予防につながることを願って止みません。

 

提供 : 株式会社スズケン



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