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<スズケンDIアワー> 平成23年4月21日放送内容より スズケン

速効型インスリン分泌促進2型糖尿病治療薬 レパグリニド


川崎医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科学 教授
加来 浩平

icon レパグリニドの作用機序

 レパグリニドは、1997年に米国での承認・販売開始を皮切りに,現在までに、世界主要国を含む90ヶ国以上で、臨床使用されています。本邦におきましても、1992年には臨床開発が開始されましたが、諸般の事情により、開発は中断しておりました。その後、2004年に、臨床開発が再開され、この度、臨床の場に登場することになりました。
 レパグリニドの構造的特徴を申し上げます。代表的なSU薬であるグリベンクラミドのSU骨格のない部分の構造を持つ物質をメグリチニドと言いますが、それと類似の構造を持った非SU系インスリン分泌促進薬をメグリチニド系薬と称します。レパグリニドは,同様の作用を持つナテグリニド,ミチグリニドとともに、このメグリチニドファミリーに分類されますが、現在、我が国におけるグリニド系薬剤であります。
 レパグリニドによるインスリン分泌促進の作用機序ですが、他のグリニド系薬と同様に、膵β細胞のSU受容体に結合することに始まります。しかし、ナテグリニドやミチグリニドが2つある受容体結合部位のSU基に結合するのに対し、レパグリニドはベンズアミド基に結合します。血中半減期はナテグリニドが2時間弱であるのに比しレパグリニドは1時間から1時間半程度と短いのですが、ナテグリニドでは服用後2時間程度で、インスリン分泌が基礎値に戻るのに対し、レパグリニドでは4-6時間程度と、結合後の作用時間は他のグリニド薬より長いという特徴があります。インスリン分泌のピークはレパグリニド服用後1-2時間でみられます。in vitroの実験結果では、ナテグリニドと同様にブドウ糖存在下で、より強くインスリンを分泌するという一般のSU薬とは異なる性質を有し,この傾向はレパグリニドでは更に顕著であると考えられています。
 レパグリニドの薬物代謝には、肝臓チトクロームP-450の3A4が関与しており、3A4の阻害薬剤であるシンバスタチン,アトロバスタチン,ニフェジピンの他、グレープフルーツジュース等で作用増強の可能性がありますし、この系を亢進させるリファンピシン,バルピツレート,カルバマゼピンなどの服用でレパグリニドの代謝が亢進し作用が弱くなる可能性があります。尚、尿への排泄は1割以下と、腎排泄型ではないので,腎機能が悪い患者でも懸念なく用いることが可能といえます。

icon レパグリニドの臨床試験成績から

 レパグリドの臨床効果について、本邦で行われた臨床試験結果を基にお話しします。2型糖尿病患者を対象とした、臨床第2相、第3相試験の結果より、2型糖尿病における食後血糖推移の改善という効能・効果が得られています。単独療法あるいはα-グルコシダーゼ阻害薬との併用が承認要件となっています。用法・用量として、1日用量0.75mgすなわち1回0.25mg1日3回毎食直前の経口投与から開始し、維持量として、1回量0.25mgないしは0.5mgとします。これで不十分な場合には1回量1mg、1日用量として3mgまで増量が可能です。

HbA1cの経時的推移(16週)

 ナテグリニド1日用量270mgとレパグリニド1日用量1.5mgを比較した第3相試験では、ナテグリニド群が、HbA1cで前値の7.19%から16週後に6.38%と-0.81%の低下をみたのに対し、レパグリニド群では7.32%から6.15%と-1.17%の低下を示し、レパグリニド群でより有意に血糖改善効果が認められました。


治療目標達成率(最終評価時)

 レパグリニドは食後血糖を40-50mg/dL程度、食前血糖を20-25mg/dL程度低下させています。HbA1c 6.5%未満の目標達成率も、75%と高く、30%は5.8%未満のコントロール優を達成していました。

 

提供 : 株式会社スズケン



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