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<スズケンDIアワー> 平成23年4月28日放送内容より スズケン

DI実例集(171)医薬品安全性情報等管理体制について


九州大学病院薬剤部薬品情報係長
三嶋 一登

icon 副作用発現時の報告体制

 さてここで、当院での実際の取り組み、副作用発現時の報告体制についてお話します。
 医薬品による副作用が出現した際は、医療スタッフならびに病棟担当薬剤師から薬品情報室へ報告する体制をとっています。しかし、ただ報告を待っているだけでは受動的な副作用収集体制であり不十分といえます。
 そこで、当院では積極的に院内研修会で副作用報告体制を紹介しています。また、DI室の職員が直接病棟に出向き、より能動的に副作用情報を収集するようにしています。 副作用報告書は共通のフォーマットを使用し、入力する項目としては、患者背景、副作用症状、副作用発現時期、過去の副作用歴、副作用発現後の転帰、被疑薬、服薬時期、投与量、投与回数、過去の投薬歴などを設定しています。さらに副作用の重篤度を評価するために、有害事象共通用語規準(CTCAE)や厚生労働省による重篤度分類基準を利用しています。
 また、被疑薬との因果関係についても評価スケールを用いて、スコア化することで、4段階の判定を行っています。ただし、いたずらに報告書を複雑化すると、医療スタッフや病棟担当薬剤師からの報告が減少することが予想されます。そこで、必要最低限の情報をまず、DI室に連絡いただき、詳細はDI室担当薬剤師が入力を支援するようにしています。
 これら、副作用報告書は、有効に活用されるよう電子媒体で、データベース化しています。
 集計した結果は、定期的に医薬品安全管理委員会にフィードバックし、医療スタッフへの周知を図っています。


icon 関連した医師を特定した医薬品適正使用の通知実例

 次に、施設要件である特定医師への情報提供、つまり、関連する医師を特定したうえで、医薬品適正使用の通知を行った実例を紹介します。

関連する医師を特定した医薬品適正使用の通知

 DI室では日々、厚生労働省、官報、PMDAなどの公的機関情報をチェックし、その他にもJAPIC、DSU、薬業界紙、製薬会社資料、学術誌などを活用し、医薬品情報の把握に努めています。
 なかでも、PMDAは、情報配信サービスの「PMDAメディナビ」や、HP上に「医薬品の適正使用に関するお知らせ」を掲載しているため非常に有用です。これらの情報から重要な安全性情報を把握した際は、速やかに通知しています。
 まず、1つの例を紹介します。平成22年8月に「PMDAからの医薬品適正使用のお願い」として、「サラゾスルファピリジンの投与開始前後の臨床検査実施の遵守」が通知されました。
 当院では、まず、通知日から速やかに、DI室と医薬品安全管理専門委員会の連名で、全職員宛へ電子メールで情報を発信しました。さらに、データ管理部門と連携し、サラゾスルファピリジン製剤を過去6か月間に処方した医師名、診療科名を抽出し、それぞれの医師宛へ文書で通知しました。また、平成22年10月には、GLP-1アナログ製剤の適正使用について、PMDA、日本糖尿病学会、製薬会社から案内がありました。インスリン依存状態の患者へは、インスリンからGLP-1アナログ製剤への切り替えを行わないように関連の医師へ、文書による注意喚起を行いました。さらに、平成22年11月には厚生労働省およびPMDAから「肺炎球菌ワクチン誤摂取防止」について通知がありました。肺炎球菌ワクチンには、接種対象者が異なる製剤が存在するので、適切な対象者に接種するよう、文書による案内を行いました。

 

提供 : 株式会社スズケン



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