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<スズケンDIアワー> 平成23年5月5日放送内容より スズケン

緊急避妊薬 レボノルゲストレル


家族計画研究センター所長
北村 邦夫

icon 緊急避妊外来における服薬指導

 WHO発行の”Selected Practice Recommendations for Contraceptive Use” などを中心に、私どもによく向けられる質問と回答例をまとめてみました。

Q)緊急避妊薬の服用に際して、悪心や嘔吐を防ぐために制吐剤を使いますか?

A) 緊急避妊薬服用前に制吐剤をルーチンに使用することについては推奨されていません。ヤツペ法と違って『ノルレボ錠』の場合には、幸いにも消化器症状は極めて稀ですので、安心して服用していただけます。

Q)『ノルレボ錠』の服用後に吐いてしまったらどうしますか?

A)服用後2時間以内であれば、できるだけ速やかに『ノルレボ錠』2錠分を再度服用します。しかし服用後2時間が経過していればホルモン吸収には十分ですので、その後嘔吐することがあっても追加投与は要りません。

Q)『ノルレボ錠』の服用後に留意すべきことがありますか?

A)『ノルレボ錠』の服用が排卵遅延を招くことがありますので、次回月経までの間にセックスが行われると妊娠阻止率が低下することを伝えておくことが大切です。そのような危険を回避するために、『ノルレボ錠』を服用した翌日から低用量経口避妊薬を服用してもらう方法をとることもあります。この場合、低用量経口避妊薬の実薬服用終了後数日しても消退出血がなければ妊娠を疑って処方してもらった医療機関で受診してください。なお、『ノルレボ錠』を服用しても妊娠を阻止できない場合、あるいはその翌日から低用量経口避妊薬を服用したとしても、胎児に影響が及ぶことはないと助言してください。

緊急避妊薬の有用性

Q)性交後72時間を超えてしまった場合の対処法がありますが?

A)理想的には、性交後72時間以内にできるだけ速やかに『ノルレボ錠』を服用する必要があります。やむを得ぬ事情で72時間を超えてしまった場合ですが、私どもは120時間までであれば服用を薦めてきました。もちろん、その際には、性交後から『ノルレボ錠』の服用までの時間が長くなると避妊効果が減弱することをきちんと説明し納得してもらいます。また、妊娠経験がある女性であれば、性交後120時間以内であれば銅付加子宮内避妊具を使用することもあります。

妊娠阻止率

Q)『ノルレボ錠』が発売されると、避妊をこれに頼って繰り返し使う人が出るのではないかと心配です。

A)緊急避妊法として、性交後72時間以内に『ノルレボ錠』を服用した場合の妊娠阻止率は、わが国で行われた臨床試験の結果からは81%と報告されています。わが国で行われた8剤の低用量経口避妊薬について言えば、1年間における妊娠阻止率は99.41%から100%ですから、たった一回の緊急避妊薬の使用に伴う避妊効果とは比べられないほどに、低用量経口避妊薬の避妊効果が確実であることは明らかです。避妊に失敗した時だけ『ノルレボ錠』を服用するというような使い方が如何に愚かで危険かは敢えて申し上げるまでもありません。ちなみに、私どものクリニックで緊急避妊薬を服用した女性のうち90%が低用量経口避妊薬を避妊法として使うようになっている事実があることも申し添えます。



icon まとめ

 1970年代に開発されたヤツペ法を「医師の判断と責任」で処方してきた国、日本。そんなわが国においても、ようやく世界で広く普及しているレボノルゲストレルを成分とする『ノルレボ錠』が承認されました。私たち産婦人科医は、リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)領域を預かる専門家として、『ノルレボ錠』の適正な使用と服薬指導、さらにはその後の確実な避妊法の提供と指導について責任を果たしていただきたいと思います。

 

提供 : 株式会社スズケン



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