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<スズケンDIアワー> 平成23年5月12日放送内容より スズケン

乾癬治療薬 ウステキヌマブ(遺伝子組換え)


NTT東日本関東病院皮膚科部長
五十嵐 敦之

icon 使用上の留意点

 安全性については他の生物学的製剤と同様、感染症、悪性腫瘍などに注意しなければいけません。本剤投与前に御確認いただきたいことは本剤が感染のリスクを増大させる可能性があるため活動性結核や重篤な感染症を有する患者には投与しないでいただきたいこと、また本剤との因果関係は不明ですが悪性腫瘍の発現が報告されているため悪性腫瘍の既往のある患者および合併している患者への投与は十分に注意していただきたいこと、の2点です。
 もっとも、これまでの臨床試験では他剤と比較しても重篤な副作用が多いということはなく、比較的安全に使用できる薬剤と考えられます。他剤と同様使用開始前には潜在性結核をスクリーニングする事が義務づけられていますが、問題症例にはイソニアジド等の抗結核剤の予防投与が行われれば結核の再活性化は防ぐことが可能です。自己抗体の出現率は5%程度といわれています。
 本剤の禁忌は重篤な感染症の患者、活動性結核の患者、本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者、の3つですがTNF-α阻害剤と異なり、脱髄疾患、うっ血性心不全の記載はありません。また、慎重投与の項目にも、同様に汎血球減少、再生不良性貧血等の重篤な血液疾患 の患者又はその既往歴のある患者、 間質性肺炎の既往歴のある患者についての記載はありません。その他注意すべき患者としては、生ワクチン接種を希望する患者、アレルゲン免疫療法を受けた患者、ラテックスに過敏な患者、妊婦、産婦、授乳婦、小児、糖尿病を合併する患者、免疫抑制剤を投与中の患者、光線療法を行っている患者、免疫不全患者、免疫抑制状態の患者、手術予定がある患者などがあげられます。本剤も日本皮膚科学会が策定したTNFα 阻害薬の使用指針および安全対策マニュアルに従って使用されることが望まれます。
 3ヵ月の投与間隔は現在のところ乾癬に対する生物学的製剤としては最も長く、皮下注射製剤であることも合わせて、患者にとっても利便性が高い治療薬になると期待されます。
 すでに乾癬に対して承認されているTNF-α阻害剤に加えて、本剤のように他の作用機序を持つ製剤が使えるようになることにより、さらに治療の選択肢が拡がることになります。インターロイキン17やインターロイキン23のp19サブユニットに対する抗体の臨床開発も進められています。これらタイプの異なる製剤を、どのように使い分けていくべきかの議論も今後必要でしょう。

 

提供 : 株式会社スズケン



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