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<スズケンDIアワー> 平成23年5月26日放送内容より スズケン

新薬の薬価算定根拠(34)


日本大学薬学部薬事管理学 教授
白神 誠

icon レボレード錠

 有効成分は、エルトロンボパグ オラミンでグラクソ・スミスクラインの開発です。エルトロンボパグ オラミンは、トロンボポエチン受容体刺激作用を有し、「慢性特発性血小板減少性紫斑病」を効能・効果とします。薬価算定は、同様の効能・効果、薬理作用等を持つ類似薬はないことから原価計算方式によって行われました。営業利益率については、本剤については、新規作用機序であるトロンボポエチン受容体作動による血小板数増加作用を有していることから革新性が認められることに加え、既存治療に対し抵抗性又は不耐容を示す患者への有効性が国内臨床試験で認められましたが、国内臨床試験の症例数が限られているため、限定的な評価とされ、20%の加算、すなわち23.0%とされました。


icon ザイザル錠

 有効成分は、レボセチリジン塩酸塩でグラクソ・スミスクラインの開発です。レボセチリジン塩酸塩は、抗ヒスタミン作用を有し、成人に対しては、「アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚そう痒症」をまた、小児に対しては「アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症などの皮膚疾患に伴うそう痒」を効能・効果とします。薬価算定は、効能・効果、薬理作用等が類似するロラタジンの製剤であるMSDのクラリチン錠を比較対照薬に類似薬効比較方式Tで行われました。小児の効能があり、比較対照薬は小児加算を受けていないことから、小児加算が適用されましたが、小児の効能を取得している類薬が複数あることから加算率は5%と、限定的な評価とされました。


icon ミンクリア内用散布液

 有効成分は、l−メントールで、日本製薬の開発です。l−メントールは、胃の蠕動運動抑制作用を有し、「上部消化管内視鏡検査における胃蠕動運動の抑制」を効能・効果とします。薬価算定は、同様の効能・効果、薬理作用等を持つ類似薬はないことから原価計算方式によって行われました。営業利益率については、従来、院内製剤として調製されていた液剤を製剤化したものであり、革新性が高いとは言えず減算されることとされましたが、開発に当たっては、種々の製剤的検討を行い、澄明性、長期間の安定性等を実現したものであることから、減算率を5%にとどめ、18.2%とされました。


icon マキュエイド硝子体内注用

 有効成分は、トリアムシノロンアセトニドで、わかもと製薬の開発です。トリアムシノロンアセトニドは、難水溶性等の物理学的性質に基づく硝子体可視化作用を有し、「硝子体手術時の硝子体可視化」を効能・効果とします。薬価算定は、同様の効能・効果、薬理作用等を持つ類似薬はないことから原価計算方式によって行われました。営業利益率については、従来、院内製剤として調製されていた眼科用注射剤を製剤化したものであり、革新性が高いとは言えず減算されることとされましたが、開発に当たっては、種々の製剤的検討を行い、眼組織への影響を避けるため添加剤を含有しない製剤としたものであることから、減算率を5%にとどめ、18.2%とされました。


icon バイエッタ皮下注

 有効成分は、エキセナチドで日本イーライリリーの開発です。エキセナチドは、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)アゴニストであり、「食事療法・運動療法に加えてスルホニルウレア剤(ビグアナイド系薬剤又はチアゾリジン系薬剤との併用を含む)を使用しても十分な効果が得られない場合の2型糖尿病」を効能・効果とします。薬価算定は、効能・効果、薬理作用等が同一の、遺伝子組換えのリラグルチドの製剤である、ノボノルディスクファーマのビクトーザ皮下注を比較対照薬に、類似薬効比較方式Tで行われました。

 

提供 : 株式会社スズケン



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