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<スズケンDIアワー> 平成23年6月2日放送内容より スズケン

アセチルコリンエステラーゼ阻害 認知症治療用貼付薬 リバスチグミン


東京医科大学老年病科教授
羽生 春夫

icon 国内試験成績と安全性

 リバスチグミンパッチはプラセボを対象として国内第Ⅲ相試験が実施されました。これから主な有効性の結果と安全性について紹介します。

 主要評価項目である認知機能をみたADAS-J cogの結果を示します。ADAS-J cogスコアの増加は認知機能の悪化を示しますが、最終評価時である投与開始から24週時において、プラセボとの比較においてリバスチグミンパッチ18mg群で有意な差が認められ、認知機能の悪化の抑制が示されました。

副次評価項目:CIBIC-ples J DAD

 また、認知機能以外にDADという評価尺度を用いてADL(日常生活動作)に対する評価がなされています。最終評価時(24週時)のDADのベースラインからの変化量はリバスチグミンパッチ18mg群で悪化の程度が小さく、プラセボ群との比較で有意差が認められました。すなわち、リバスチグミン18mgを維持用量とすることでADLの悪化が抑制されることが示されました。認知症の患者さんにとってADL障害の進行抑制がその患者さんや介護者の方々にとって大変有意義なものであると考えています。

 さらに、改訂クリクトン尺度という介護者の印象度について評価がなされており、こちらについてもリバスチグミンパッチ18mg群で悪化の程度が小さく、プラセボ群との間に有意な差が認められました。
 国内二重盲検比較試験におけるリバスチグミンパッチ群における主な副作用(発現率3%以上)は適用部位紅斑、そう痒感、接触性皮膚炎などでした。治験においては、貼付部位が背部に限定されていましたが、市販後は、背部、上腕部、胸部などいずれかに貼ることになっています。皮膚症状を予防するには、毎日貼る部位を変えることによって十分忍容可能と考えられます。

 リバスチグミンの特徴は効果以外にそのユニークな剤形面にもあります。パッチ剤は経皮吸収により一定の薬物濃度を維持でき、急激な血中濃度上昇がありません。また、消化管での代謝の影響を受けにくく、食事の影響を受けずに服薬が可能です。また、薬物相互作用のリスクも比較的低いといえます。パッチ剤は貼っていることが目に見えるため、服薬が簡単に確認できること、万が一副作用が生じた場合も、剥がすことによってそれ以上薬物が体内に入ることがありません。リバスチグミンは、消失半減期が3.3時間であるため、体内からも速やかに尿中排泄されます。高齢者には比較的投与のしやすい剤形といえると思われます。

 

提供 : 株式会社スズケン



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