日本大学麻酔科学系教授 小川 節郎
はじめに

日本においては全人口の約15-20%が何らかの慢性の痛みを持っていることがいくつかの調査で判明しています。そしてその約半数が慢性の腰・下肢痛、膝関節痛で占められています。一方、これらの慢性疼痛が適切に治療されているかに関する調査では、その治療に満足しているとした患者は、20%程度に留まっていることも明らかになりました。
さて、このような状況においてこの度、新しい慢性疼痛治療薬としてブプレノルフィンのテープ剤(商品名:ノルスパン)が発売されました。本日はこの貼付剤についてお話します。
ブプレノルフィンテープ剤の特徴
ブプレノルフィンは本邦ではモルヒネなどが作用するオピオイド受容体に作用して鎮痛効果を発揮する鎮痛薬であります。麻薬指定にはされていないため、使用に当たって、麻薬免許は必要ありません。しかし本剤は、第2種向精神薬取締法で、薬物の取り扱いが制限されている薬物であることは念頭においてください。
薬理学的にブプレノルフィンは脂溶性の高いオピオイドで、ミュー受容体に部分作動薬として作用します。その効果は筋肉投与で比べた場合、ブプレノルフィン0.4 mgがモルヒネの10mgに相当します。
作用時間はモルヒネより有意に長く、それはオピオイド受容体に対する高い親和性によるものとされています。
さて、今回市販されたブプレノルフィンテープ剤は、このブプレノルフィンを含有したマトリックス型(紙型の経皮吸収型)製剤で、一回の貼付で7日間も、安定した血中濃度レベルを保つことができる製剤であります。

本剤にはブプレノルフィン含有量により5mg、10mg、20mgの3つの規格があり、大きさは5mgのものが4.5cm四方、10mgのものは4.5cmかける6.8cmの長方形、20mgのものが7.2cm四方の正方形をしています。
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