→ 番組表はこちら
→ストリーミング版はこちら
<スズケンDIアワー> 平成23年6月16日放送内容より スズケン

慢性疼痛治療薬 ブプレノルフィンテープ剤


日本大学麻酔科学系教授
小川 節郎

icon 効能・効果について

 本剤の適応症は、今のところ腰痛症と変形性関節症ですが、すべての腰痛症、変形性関節症に用いることは勧められておらず、本剤を用いることが出来る場合は次のような場合に限られています。すなわち、NSAIDsなど非オピオイド鎮痛薬で治療困難な慢性的な痛みの場合に適応されると言うことです。
 言い換えると、本剤が適応となるのは、非オピオイド鎮痛薬の投与を含む保存的治療では十分な鎮痛効果が得られない慢性疼痛患者、並びに日常生活動作をするのにオピオイド性鎮痛薬の継続的な投与が必要となっている慢性疼痛患者に適応があると言うことになります。

icon 使用上の留意点

 実際の使用法ですが、本剤は張り薬ですが、痛いところに張る薬ではないということに注意が必要です。患者にもそのように必ず指導することが必要です。痛いからといって腰や膝に張ってはいけません。張る場所は一般に胸や上腕など、平らで体動によってもあまり動かない部分で、体毛が少ないところにします。
 用量の設定は、必ず最小量の5mgテープから開始し、鎮痛効果と認容性を確認しながら漸増法により、その患者に必要な用量まで増量します。
 一回貼ったら7日間は効果や副作用の有無を観察します。途中で増量しないでください。5mgで効果が認められた場合には、その患者は次も5mgテープを用います。5mgで効果不十分で、副作用により中止しなくてもよい場合には10mgテープに増量します。以降は同様に用量を決定しますが、最高用量は20mgを超えてはいけません。それ以上の用量が必要になった場合には、より強力なオピオイド製剤に切り替えるか、手術など他の鎮痛手段の適応となります。
 次に副作用とその対処法についてお話します。ブプレノルフィンはオピオイド製剤ですので、オピオイド特有な副作用である便秘、悪心・嘔吐、眠気がかなり高い頻度で発現します。特に本剤開始初期と増量したときに多く認められます。そのため、本剤を処方するときには、副作用につき患者さんには十分に説明し、副作用を予防、あるいは治療する薬剤を同時に処方することが進められます。
 まず便秘ですが、これには一般的な緩下剤が有効です。次に悪心・嘔吐に対してですが、商品名で言うと、ノバミン、ナウゼリン、プリンペラン、トラベルミンなどを用いてください。眠気については、徐々に消失してくるのが一般的ですが、自動車の運転や緊張が強いられる仕事などを避けることが必要でしょう。 そのほかの注意点を申し上げます。
 入浴ですが、本剤は貼ったまま入浴できますが、熱い温度での長時間の入浴は、血中濃度が上昇するのでやめてください。
 同様に、コタツ、ゆたんぽ、電気毛布、日光浴、サウナなども注意が必要です。
 MRI検査を受ける場合には、はがしてください。貼っている部分にやけどが起こることがあります。
 妊婦では、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合にのみ使用してください。
 授乳中のお母さんでは、赤ちゃんに影響がでますので、張らないでください。
 また、他の人には絶対に譲らないでください。ブプレノルフィンは第2種向精神薬取締法で、薬物の取り扱いが制限されているからです。

 

提供 : 株式会社スズケン



前項へ 1 2 3 次項へ