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<スズケンDIアワー> 平成23年6月16日放送内容より スズケン

慢性疼痛治療薬 ブプレノルフィンテープ剤


日本大学麻酔科学系教授
小川 節郎

icon オピオイド製剤取扱と事前講習について

 さて、最近、このようなオピオイド製剤が、癌ではない疼痛性疾患に用いられるようになってきました。NSAIDsなど通常の鎮痛薬では十分に鎮痛されない痛み、特に慢性疼痛に対し、適応を守ればこのようなオピオイド製剤が非常に有効であることは明らかです。しかし、心配されていたような誤った使用法により、いくつかの事故も起こっていることも事実です。そこで、厚生労働省は、オピオイド製剤を非癌性慢性疼痛患者に用いる場合には、ある制限をかけるようにしました。それは、処方する側、すなわち医師や薬剤師への講習が義務つけられたということです。
 本剤も例外にもれず、事前の講習が必要な薬剤です。ブプレノルフィンの承認条件としては以下のような文言で規定されています。
 すなわち、「本剤は、変形性関節症および腰痛症に伴う慢性疼痛の診断、治療に精通した医師によってのみ処方・使用されるとともに、本剤のリスクなどについても十分に管理・説明できる医師・医療機関・管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられ、それらが薬局においては調剤前に当該医師・医療機関を確認したうえで調剤がなされるよう、製造販売にあたって必要な措置を講じること」となっています。
 実際には、インターネットを用いた講習システム(Eラーニング)が構築されています。

 どのようにするかと言うと、まず、インターネット上で、NORSPAN.JP(すべて大文字)にアクセスします。そうすると画面上にE-leaningが出てきますので、それを受講してください。かかる時間は数十分でしょう。受講終了後は直ちに確認テストをお受けください。その場で採点され、合格するとデータベースに登録されます。そうすると受講確認用WEBサイト・カスタマーセンターに情報が反映され、処方が出来るようになります。
 実際に処方を行うと、処方箋を受け取った薬剤師・薬局は、まず、受講確認用WEBサイト・カスタマーセンターに問い合わせ、処方した医師が登録されているかどうかを確認し、初めて処方がなされるようになっております。

 このような方法は、医療用麻薬であるフェンタニルのパッチ剤であるデユロテップMTパッチの処方においても用いられています。一見、大変面倒なようですが、この方法は、患者に安全にこの薬を用いていただくために必要であるばかりでなく、処方する医療者側をも守ることになりますので、ぜひ、受講することをお勧めいたします。
 この数年の間に慢性疼痛に対する関心が非常に高くなってまいりました。慢性疼痛による社会的損失は米国では年間約6兆-8兆円に登るとされています。慢性疼痛に悩む患者には適切な治療が必要で、それによって患者のQOLが高まることが期待されています。

 

提供 : 株式会社スズケン



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