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<スズケンDIアワー> 平成23年6月23日放送内容より スズケン

医薬品・医療機器等安全性情報 最近の話題(24)〜レナリドミド水和物の安全対策について−


NTT東日本関東病院 薬剤部長
折井 孝男

 レナリドミド水和物はサリドマイド誘導体であり,国内ではデキサメタゾンとの併用において「再発又は難治性の多発性骨髄腫」の効能・効果で,平成22年6月に承認されました。次いで平成22年8月に「5番染色体長腕部欠失を伴う骨髄異形成症候群」の効能・効果が追加承認されています。

icon 多発性骨髄腫とは

レナリドミド水和物

 多発性骨髄腫とは,貧血,出血,感染,腎機能障害,骨折等の種々の症状を呈する予後不良の血液悪性腫瘍です。多発性骨髄腫に対する治療としては,主に抗悪性腫瘍薬による化学療法が行われますが,完全な治癒は困難であり,ほぼ全ての患者が初回治療後に再発します。そのため,多発性骨髄腫に対する治療の目的は,生存期間の延長と,症状や合併症の軽減によるQOL維持が中心となります。なお,再発又は治療抵抗性多発性骨髄腫患者の生存期間中央値は6ヵ月から9ヵ月であると報告されています。再発又は治療抵抗性の多発性骨髄腫患者に対する治療選択肢としては,レナリドミド水和物とデキサメタゾンとの併用,サリドマイド,ボルテゾミブ,デキサメタゾン等が位置づけられています。
 骨髄異形成症候群は,白血球,血小板,赤血球の異形成を伴う血液悪性腫瘍です。さらに,貧血や感染,出血などの症状を呈する多様な疾患群です。レナリドミド水和物は「5番染色体長腕部欠失を伴う国際予後判定システム(IPSS)分類の低リスク又は中間-1リスクの骨髄異形成症候群」での血球輸血依存からの離脱を目的とした治療として位置づけられています。

icon レナリドミド水和物に対する更なる安全対策の検討

 レナリドミド水和物は製造販売後にレナリドミド水和物使用例全症例を対象とした製造販売後調査(全例調査)を実施しています。販売開始半年間で登録された患者数は2,483例です。この期間において,特に感染症及び肝機能障害については,多くの症例が報告されました。また平成23年1月には,欧州添付文書に脳梗塞等の動脈血栓塞栓症が追記されました。
 そこで、国内副作用報告の集積状況及び海外における措置状況等を踏まえて,レナリドミド水和物による感染症,肝機能障害及び脳梗塞に係る安全対策を検討し,更なる安全対策を講じたので,その内容等について紹介します。
 国内副作用報告の状況等を踏まえた検討状況についてですが、感染症については、レナリドミド水和物の平成22年7月20日から平成23年2月19日までの市販直後調査期間中に,感染症に関する副作用報告が100例、このうち,死亡27例が報告されました。

 

提供 : 株式会社スズケン



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