<スズケンDIアワー> 平成23年6月23日放送内容より |
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NTT東日本関東病院 薬剤部長
折井 孝男
感染症による死亡症例の原疾患の内訳は,多発性骨髄腫患者24例,骨髄異形成症候群患者2例,形質細胞性白血病1例でした。レナリドミド水和物使用患者の大半を占める多発性骨髄腫の特徴として,正常免疫グロブリンの低下や好中球減少により感染症リスクが高まることが広く知られています。そして、感染症は多発性骨髄腫患者の主要な死亡原因となっています。多発性骨髄腫患者における敗血症の発症率は年間一人あたり0.8回から1.4回との報告があります。それに加えて、多発性骨髄腫が悪化し,治療が必要な状態となった場合の感染症発現率は,多発性骨髄腫の病勢が安定している時期(プラトー期)と比較して4倍高くなるとの報告があります。そのため,レナリドミド水和物の投与対象となる患者はその原疾患のため既に易感染状態であり,感染により死亡する潜在的なリスクは高いと考えられます。また,レナリドミド水和物と併用する高用量のデキサメタゾンや,高齢・全身状態不良等の患者要因が加わることによって,感染により死亡するリスクは,更に高まると考えられます。
肝機能障害については、市販直後調査期間中に,肝機能障害に関する副作用報告が30例、うち,死亡1例が報告されました。そのうち肝障害の重篤度としてグレード3が14例,グレード1又は2が16例でした。
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提供 : 株式会社スズケン | ||||
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